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「Healthknit(ヘルスニット)」の1960年代のディテールを取り入れた“トンプキンス”というシリーズに注目
125年の歴史を持つアメリカ発の老舗ブランド「Healthknit(ヘルスニット)」は、テネシー州のノックスヴィルにてエドワード・J・マクミラン氏が設立した「スタンダードニッティングミルズ」という会社の自社ブランドとしてスタートした。
誕生から今日まで変わることのない「QUALITY(高い品質)」、「STYLES(洗練されたスタイル)」、「COMFORT(快適な着心地)」という3つのポリシーを持って展開され、アメリカ軍への製品の支給などを経て、全米そして世界で愛されるTシャツ、カットソーブランドになった。
今回は“トンプキンス”と呼ばれる編み機で作られたシリーズに注目して、ヘルスニット・ブランズ株式会社の原田芳輝さんにアイテムの紹介をしていただこう。
トンプキンスでなくては出せない風合いがある
まずはトンプキンスについてお話を伺っていきたい。この編み機はずいぶん昔からあるもので、Healthknitと契約している工場ではいまも現役で動いているという。「トンプキンスと呼ばれるアメリカ製の旧式編み機を使用しているのですが、通常の編み機と違い下から上へと向かってゆっくり編むのが構造上の大きな特徴です。このトンプキンスで編まれた生地はふっくらとした柔らかい肌触りで、ストレスなく体に馴染むものに仕上がります。
高速で短時間にたくさん編めるという最新の編み機とは逆行していますが、トンプキンスでなくては出せない風合いがあり、その生地で今回いくつかのアイテム作りをしています。
裏毛と呼ばれる起毛のない仕上げで、オールシーズン着用可能な素材になっています」

1960年代の仕様を再現しながら、現代版にアップデート
ここからは実際にトンプキンスで作られたアイテムを紹介してもらおう。今回のアイテムのほとんどが1960年代のディテールをベースに作られたもので、ビンテージライクなラインナップとなっている。Healthknitに残る貴重なデッドストックのビンテージモデルとともに見ていこう。「はじめにクルーネック スウェットから見ていただきたいのですが、こちらは1960年代のHealthknitアーカイブスウェットをリプロダクトしたものです。
特徴的なディテールとして、ネック部分が『REINFORCED NECK LINE(レインフォースド ネック ライン)』という、リブの下にもう1枚襟よれを防ぐための補強生地が付いていて、日本のビンテージファンの間では通称“親子バインダー”と呼ばれる仕様を採用しています。
デザインについても、ラグランスリーブの幅が狭く首元に詰まっている感じを再現し、リブの縫い目が後ろ側にあるディテールも忠実に再現しています。さらに生地に加工を施すことで僅かにフェードした風合いに仕上がっています。
シルエットにもこだわりがあり、当時のビンテージスウェットはいま着用するにはタイトフィットのものが大半ですが、今回のシリーズではどれも現代的なリラックスフィットにアップデートされています」




通称“ドラポケ”と呼ばれるポケットに注目してほしいスウェット フーディ
「続いてはスウェット フーディの紹介をさせていただきます。こちらも1960年代のHealthknitのアーカイブスウェットをリプロダクトしており、ラグランスリーブの仕様や加工によるフェード感は先ほどと同様なのですが、特徴的なのは“ドラポケ”と呼ばれるポケットのデザインです。通常のポケットは下部分が裾のリブとくっついているものが多いのですが、ドラポケは裾リブから離れていて下部の丸いカッティングが特徴です。そしてビンテージでよく用いられるフラットシーマ(4本針ステッチ)で縫い付けられているのも、その時代ならではの仕様です。
このドラポケはHealthknit以外のブランドではあまり見られないデザインなので、1960年代ではオリジナリティのあるデザインだったと考えられます」


よりビンテージテイストが感じられる後付けフーディ
今回リリースされたトンプキンスのシリーズでもっとも人気なのが「後付けフーディ」だという。1950年代から1960年代に見られたディテールで、クルーネック スウェットやスウェット フーディに比べて生産されていた絶対数が少なく、その年代のものがビンテージで出てくるとかなりの高額で取引されるという。今回それをHealthknitがリプロダクトした形だ。このアイテムについても引き続き原田さんに伺っていこう。
「既製品のクルーネックにフードとポケットを後付けした、『アフターフーディ』と呼ばれるビンテージの仕様を再現しています。先ほどのクルーネック スウェットの親子バインダーや幅の狭いラグランスリーブなどのディテールはこのモデルにも採用されています。ポケットはドラポケの仕様にはなっていないのですが、2本針で縫いつけるビンテージの仕様を再現しています。
最大の特徴のフード部分は、クルーネックの周りをぐるりと囲むよう付いているデザインがビンテージの雰囲気を感じられて、好評を得ています。生地の加工ですが、このアイテムのみ他のものより強めに施しているので、より大きくフェード感が感じられます」



U.S.NAVYで採用されていたスウェットパンツをトンプキンスでリプロダクト
ここまでトンプキンスで作られたトップスを見てきたが、今回のシリーズではスウェットパンツもリリースされている。「このモデルは1940年代にU.S.NAVY(アメリカ海軍)で採用されていたスウェットパンツをベースにしてリプロダクトしています。
ポイントとなるデザインは内側から当て布を縫い付けたダブルニー仕様です。その他、“腹巻き”とも呼ばれるワイド幅のウエストリブや、裾口にはスピンドルが付き、シルエットの調整が可能になっています。
当時のビンテージにはポケットが付いていないのですが、そこは現代にアップデートし、左右の脇にポケットが付いています。このアイテムにも加工が施され、フェードした風合いに仕上がっています」


歴史あるHealthknitから、今回トンプキンスという素材に注目したシリーズを見せてもらった。この編み機だから出せる風合いはもちろん楽しんでいただきたいが、紹介してもらったプロダクトはどれも、いまはあまり採用されなくなったビンテージライクな仕様にこだわっているところにも着目してもらいたい。
そして現代のシルエットにアップデートされ、いまの気分で着られるというところもHealthknitというブランドの魅力なのではないろうか。
PROFILE

原田 芳輝(はらだ よしてる)
ヘルスニット・ブランズ株式会社 営業
1981年生まれ。アメカジショップの店員を経て、2012年に入社。入社時から同ブランドの営業を担当。














