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Hervé Chapelier(エルベシャプリエ)のバッグが教えてくれる“飾らない美しさ”
美しい色合いとシンプルなフォルムで、トレンドに左右されることなく国内外で根強い支持を集めてきたバッグブランド・Hervé Chapelier(エルベシャプリエ)。フランス出身のエルベ・シャプリエ氏によって1976年に誕生し、およそ50年にわたり愛されてきた。
長年多くの人の「日常」に寄り添い続けてきたバッグには、どのような思いが込められているのか。日本代理店である株式会社サニーサイドアップの平山さんに、エルベシャプリエの歴史や代表的な3ラインの特徴、これからの展望についてじっくりと話を聞いた。
ブランドの原点は、フランスで育まれた美意識と、ロサンゼルスで出会った実用性
フランス・ビアリッツで育ったエルベ・シャプリエ氏。留学先のロサンゼルスにてカラフルで機能的なバッグに出会い、その経験をもとに1976年、自身のブランドを立ち上げた。「当時、エルベ氏は英語の通訳のアルバイトをしていたそうです。そのなかで偶然出会ったバッグブランドに魅了され、まずはカラフルなダッフルバッグの輸入販売からスタートしました」

フランス帰国後の1980年代初頭には、ロサンゼルスの学生が使っていたバックパックから着想を得たデイパックを発売。これがフランスの学生を中心にブームとなる。

1985年にはブランドアイコンとして親しまれている舟型のナイロントートバッグの生産をスタート。現代にも継承されている、シンプルで飽きのこないデザインと耐久性を兼ね備えたバッグは世界各国で支持され、エルベシャプリエはグローバルなバッグブランドとしてその名を広めることとなった。

ブランドが日本に上陸したのは、1980年代後半のことだ。
「当時は『海外発ブランドのカジュアルバッグ』が流行っており、エルベシャプリエも同じ位置づけで、学生さんたちが使用したのを機に人気に火がついたようです」
その当時、特に売れ筋だったのが、ナイロン素材のツートーンバッグ。現在も展開されている901のSサイズや、1027、925のS〜Lサイズといったモデルが、通学用として人気を博していたという。

Nライン:ブランドの原点であり、変わらぬ定番
ブランド内にはさまざまなシリーズが用意されているが、基本的なサイズや形は共通。現在もすべてエルベ氏がデザインを統括して決定している。代表的な3つのライン「Nライン」「Cライン」「GPライン」のうち、もっとも歴史があるのが「Nライン」だ。1985年に誕生し、現在でもロングセラーとして根強い人気を誇る。
「ナイロン素材でできたこのシリーズは、丈夫で長く使えるだけでなく、色の美しさが引き立っていることも特徴です。表地に明るい色を使うときは、裏地に白などの淡い色を合わせて色が濁らないように。反対に表地が濃い色の場合は、裏地もトーンを落として全体の調和を大切にしています。細部まで計算された色使いが、エルベシャプリエらしさを生み出しています」

カラーリングは基本的にシンプルなツートーン。毎シーズン色の組み合わせが変わり、常に12〜13色がラインナップされるというバリエーションの豊富さも大きな魅力のひとつだ。ユーザーからは「ノワール×ノワール(黒)」「カモフラージュ」「パンサーブラン(白とグレーのヒョウ柄)」が特に人気を集めている。

「どの色を選んでもベースがシンプルなので、幅広いシーンで活躍します。通勤・通学はもちろん、小さいサイズならランチやお出かけにもぴったり。ユーザーの年齢層も20代から70代までと、女性を中心にさまざまな世代の方に愛用いただいていますね」
Cライン:発色が美しいコーデュラナイロン
1990年代に登場したCラインは、Nラインと並ぶ定番として知られるシリーズ。特徴は、素材に使われている「コーデュラナイロン」だ。「スタンダードなナイロンより引き裂きや摩擦に強く、Nラインに比べてしっかりとした質感がありつつも、柔らかさも持ち合わせています。Cラインの最大の特徴は、発色の美しさ。そこが一番の魅力だと思います」

利用シーンは日常使いがメインで、Nラインと双璧をなすもうひとつの定番ラインという立ち位置だ。
GPライン:日常に上質を添える、洗練されたシリーズ
最後に紹介するのが、2005年に登場した「GPライン」。素材に「コーテッドキャンバス」を使用しており、ブランドの中でもっとも高級感があるシリーズだ。生産できる工場が少なく、さまざまなサンプルを作るなど20年以上の試行錯誤を経て、ようやくローンチに至った。「GPラインは見た目のエレガントさとシルエットの美しさを追求したシリーズです。こちらのラインのカラー展開は、すべてエルベ氏がゼロから考えています。
素材は内側がキャンバスで、外側にPVCコーティングを施したコーテッドキャンバスを使用しています。一見するとレザーのような見た目ですが、雨にぬれても大丈夫ですし、軽量で耐久性にも優れています」

「ハンドルにはポリエステルとコットンを混紡した『ポリコットン』が使われており、持ちやすさと耐久性の高さを両立しました。高級感のある佇まいから、結婚式や入学式などの“ハレの日”といった、オケージョンシーンに活用する人も多いです」
Less is more━━50年続く哲学と、その先へ
来年50周年を迎えるエルベシャプリエ。普遍性を大事にするブランドの信念を、平山さんはこう表現する。「エルベシャプリエのものづくりは、“Less is more(少ないほうが、より豊かである)”という考え方を大切にしています。奇をてらわず、世代を超えてどんな方にも、どんなシーンでも使っていただけるものを作り続ける。シンプルで飽きがこない、長く使えるもの。その哲学は、創業時からずっと変わっていません」
今後は、既存ラインを大切にしながら、より高級感のある新たなプロダクトの開発にも取り組んでいく予定だという。
年齢やライフスタイルを問わず、どんな人にもフィットする。そのものづくりは、時代に合わせてブランドを変えるのではなく、“変わらずにいられる強さ”を大切にしているからこそ、実現しているのかもしれない。
PROFILE
平山 麻紀(ひらやま まき)
株式会社サニーサイドアップ WEB制作部
Text by 岸野 恵加
















