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KEENのトレイルランニングシューズ「SEEK」はいったいどんなシューズなのか?
「天井のないところすべて」をアウトドアと定義し、地球環境負荷を低減した製法で革新的なハイブリッドフットウエアを提案している、アウトドア・フットウエアブランド、KEEN(キーン)。2003年に創業して以来、人々が自然とより深くつながることを目指し、耐久性・快適性・保護性を備えたハイキングシューズやブーツ、サンダルを開発してきた。
そのハイキングシューズ開発で培ったテクノロジーを生かし、約2年の歳月をかけて開発されたのが「SEEK(シーク)」だという。ファンの声を反映して生まれたというKEENのトレイルランニングシューズとは、いったいどんなものなのだろうか。キーン・ジャパン合同会社 マーチャンダイザーの中込敦志さんに話を聞いた。
KOMPASS INNOVATION Lab.が手掛けたKEENの新機軸
「SEEKの開発を手掛けたのは、KOMPASS INNOVATION Lab.(コンパス イノベーション ラボ)と名付けられたKEENのイノベーションチームです。KEENの創業者の長男であるローリー・ファーストJr.が率いているチームで、通常のラインとはまったく別に、イノベーションにフォーカスしてフリーで開発を行っています」 ローリー・ファーストJr.氏は、ブランドの代表作のひとつである「UNEEK(ユニーク)」の生みの親であり、2023年にリリースされたウォーキングシューズ「WK400(ダブルケーフォーハンドレッド)」の開発も手掛けた人物。「SEEK」も「UNEEK」や「WK400」同様、KEENにとって新しいチャレンジであり、またKEENらしさが色濃く詰まったシューズだと言えるだろう。
「KEENは創業以来、20年以上にわたってアウトドアを楽しむためのシューズを作ってきました。トレイルを楽しむという意味では、TARGHEE(ターギー)を代表とするトレッキングシューズがメインだったわけですが、その楽しみ方にスピードという軸を加えたのがSEEKということになります。楽しみ方の幅を、歩くから走るまで広げたというイメージですね」

「SEEK」は山を走ることを楽しむためのシューズ
“KEENの得意分野のDNAを生かし、ランを楽しみたいファンが求めるシューズを作る”という構想のもと、約2年をかけて開発された「SEEK」。トレイルランナーたちへの詳細なインタビューを重ね、求める機能や考え方を把握。アメリカ各地のウエアテスターと協力して、複数のプロトタイプをテストし、調整を繰り返したという。また、開発チームもプロトタイプを履いて1年間で900マイル(約1,450km)を走破し、シューズを完成させた。 そんな「SEEK」は、レベルやスタイルを問わず、走ることを楽しむ時間を大切にする全ての人のために作られたトレイルランニングシューズだ。
「ランニング、トレイルランニングと聞くと、レースやコンペティションを想像する人が多いかもしれませんが、誰かと戦ったり競ったりするのではなく、トレイルを楽しく走ることを目的としたシューズとしてSEEKは開発されました」


誰にでもコンフォートであることを目指して設計
重要視された要素のひとつが快適なフィット。KEENのシューズは人間工学に基づいた足型が採用されているが、本作もそのDNAを継承。つま先にゆとりをもたせたワイドフォアフット構造により、足指が自然に広がりやすく、トレイルを進む際に快適さと安定感がもたらされる。 「スピードを求めるのであれば、もっとシャープな足型にするという選択もあるかもしれませんが、誰にでもコンフォートであることを重要視し、前足部にゆとりのあるKEENらしいフィット感のシューズになっています」

ポリエステルとTPU(熱可塑性ポリウレタン)のニットアッパーは、通気性と耐久性を高いレベルで両立。パッド入りのシュータン、伸縮性のあるニットカフが足を包み込み、快適な履き心地を実現している。
ミッドソールには、QuantumFoam X(クアンタムフォームエックス)という新素材が採用されている。
「クアンタムフォームエックスは、従来素材のクアンタムフォームよりも反発性、リバウンド力が向上した素材です。前方へのスムーズな重心移動が促される、心地好いライド感が得られます」
ラグは4mm。アウトソールには摩耗に強い高耐久ラバーを採用し、優れたトラクションを発揮する。実際のトレイルを走るテストでは、約925マイル(約1,500km)の走行に耐えるという結果が出ているという。耐久性の高さは、すなわち長持ちにつながる。どのレベルのランナーにとってもありがたく、当然、環境への負荷も小さくなる。


シュータン部分には、シューレースを収納できるレースガレージが設けられている。結び終えたシューレースをガレージに収納しておけば、トレイルランニング中の、シューレースのバタつきや引っ掛かりのリスクを軽減できる。
実際に「SEEK」で公園内のクロスカントリーコースを走ってみたが、まず感じたのはフィットの良さ。TPUヒールカウンターによって踵がしっかりとホールドされる。中足部のホールド感もソフトで心地好い。
前足部はゆとりがあり、走っていて窮屈さがない。ミッドソールやアウトソールが柔らか過ぎる、硬過ぎるといったこともない。ライド感はクセがなく、ナチュラルでスムーズといった印象。多くの人が快適だと感じるシューズなのではないだろうか。
Text by Fumihito Kouzu
















