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国井栄之のKICKS OF THE WEEK

スポーツブランドが生んだ高次元ローファー 「New Balance(ニューバランス)」の「U1906L」

2026.03.04
「ミタスニーカーズ」のディレクターである国井栄之さんが、毎週、独自の視点で気になるスニーカーをピックアップして率直な主観で語る動画「国井栄之のKICKS OF THE WEEK」との連動企画。
第15回は、昨今の“スニーカーローファー”ブームを作り出すきっかけとなった「New Balance(ニューバランス)」の「U1906L」を紹介。今回はなぜこのモデルを選んだのかその理由や魅力について国井さん本人に聞いた。

「1906R」から満を持して登場したローファータイプ

昨今のキックス界隈では、スニーカーローファーが一大潮流となっている。その流れを作り出したと言っても過言ではないのが、「ニューバランス」の「U1906L」だ。このモデルが登場した経緯について国井さんはこう説明する。
曲線を描くシンセティック素材のオーバーレイ、オープンホールのメッシュアッパーが足元に煌びやかな印象を与えてくれる。19,800円(税込)
「2009年に『ニューバランス』の創業年である『1906』を冠したパフォーマンスモデルが登場しました。実はそのツーリングには、ライフスタイルモデルの『MR2002』と同じものを搭載していました。『2002』と『1906』が復刻するときに、『860v2』のツーリングをハイブリッドさせてモダンに再構築したモデルが、『2002R』と『1906R』になります。
2010年に発表されたUSA製のフラッグシップモデル「MR2002」をアジア製にて復刻した「2002R」。ランニングシューズ「ML860v2」のソールユニットを組み合わせたハイブリッドモデル(参考商品)
最近の『ニューバランス』は縦軸(デザイン)にも横軸(時間)にも、いろいろとバリエーションを作っていて、復刻モデルを出すときにも過去を踏襲したり未来を見据えたりしながら、現代のテクノロジーを注入したモデルを同時にラインナップしています。
シューレースをなくしたスリッポンタイプも、アウトドアカテゴリーなどからも数多く展開されているのですが、そのなかの“Y2K”のデザインランゲージを持った『1906』から出てきたのが、この『U1906L』なのです。
ニューバランスの創業年である“1906”を冠したハイパフォーマンスランニングシューズを再構築した「1906R」。「2002R」同様のハイスペックソールを組み合わせたハイブリッドモデル(参考商品)
横軸の商品のラインナップを縦軸で見たときに、『1906』のイージーオン&イージーオフタイプは何が出てくるのだろうと思っていたら、まさかのローファータイプを出してきたことで、さすが『ニューバランス』だなと思ったのを覚えています」
目の肥えた国井さんを唸らせるのがなんとも「ニューバランス」らしい。

デザインとテクノロジーが高次元で融合する逸品

多種多様、そして何千何万というスニーカーを見てきた国井さん。その審美眼は「U1906L」をどう見るのか。今回のモデルについての推しポイントについて聞いてみるとこう答えてくれた。
「ローファーとスニーカーのハイブリッドなモデルはいろいろなブランドから出ているのですが、『1906』の元々の特徴であるアッパーの大判メッシュであったり、ヒールのTPUカウンターだったりを、いい形で残しているのが本当に『ニューバランス』らしいなと思います。
アッパーに配された大判のメッシュは通気性の高さを物語る。ヒールに搭載されたTPUのカウンターもホールド感を高めてくれる。ともに「1906R」の特徴的なディテールを踏襲している
テクノロジーもお墨付きで、高い衝撃吸収性と反発性を誇る『N ERGY(エナジー)』と『ABZORB(アブゾーブ)』を搭載しているのはもちろんですが、抜群のクッショニングを実現しながら、フォーマルなシーンからカジュアルまで幅広いスタイルに対応する汎用性の高さも、これ以上ないほどと言えます。
ミッドソールには「ニューバランス」独自のテクノロジーである「N ERGY」と「ABZORB」を搭載。履き心地のよさはここから生まれる
まさに『ニューバランス』だからできたモデルであり、スニーカーローファーブームを作り出したのがうなずける完成度の高さですね」
いくら親交が深いとはいえ、国井さんをしてここまで言わしめるのが「ニューバランス」の底知れぬポテンシャルなのだ。

「U1906L」は2026春夏シーズンで一旦終了する

大人気で完売が続出していたモデルだが、実はこの「U1906L」が一旦お休みになってしまうこと、そして新たに登場するモデルの情報を得ているという国井さん。その詳細を聞いてみるとこう答えてくれた。
「最近は革靴のローファーを履く若い人たちも増えましたが、スニーカーローファーも潮流として捉えられていて、そのなかで『ニューバランス』が出したひとつの答えがこのモデルでした。
世間的に発表されたのは2024-25秋冬の『JUNYA WATANABE MAN(ジュンヤワタナベ マン)』とのコラボモデルが最初でしたが、インラインモデルもその前からスタンバイしていました。
今回のリストックではトリプルブラックも展開。シルバーとはまた違った良さがあるので、どちらにするか悩む人も多そうだ
インラインモデルも販路が限られ生産数も限定していたので、完売が続いていて買えなかった人たちも多かったと思います。リストックがあってやっと手に入れた人もいると思いますが、今回のリストックのタイミングでこのモデルは一旦お休みになる可能性が高いと思います。
 革靴のようなデザインにスニーカーツーリングを合わせるモデルのニューバージョンは今後も『ニューバランス』としてリリースしていく予定ですし、SNSなどでリーク情報なども出回っているので、もしかしたら次はこれじゃないか、と予想している人もいると思います。
インソールには「OrthoLite(オーソライト)」を採用しているので、高通気性はもちろん、防臭性、耐久性も発揮してくれる
いつか履いてみたいと思っているモデルがいつまで販売され続けるか、それははっきりとわからないと思います。ただ、今回このモデルを選んだ理由も、この2026春夏で終了してしまうということをお伝えしたかったからです」
人気モデルでもずっと展開され続けるとは限らない。靴屋だからこそ知る情報を提供してくれるのは、ユーザーにとってかなりありがたいことだ。
まだ手に入れていない人にとっては残念なお知らせになってしまうが、「ニューバランス」が繰り出す次の一手も気になるところ。今後の情報を期待して待ちたい。

PROFILE

国井 栄之(くにい しげゆき)

mita sneakers ディレクター

東京の下町である上野から世界へ向けて独自のスニーカースタイルを提案するmita sneakersでディレクターを務める。数多くのブランドとのコラボモデルや別注モデルを手掛け、その手腕を発揮。現在は虎ノ門ヒルズにオープンしたショップ「Herringbone Footwear(ヘリンボーン フットウェア)」の外部ディレクターも務める。世界的プロジェクトから国内インラインのディレクションまで多岐にわたり、スニーカープロジェクトに携わるスニーカー業界の最重要人物。

mita sneakers

東京都台東区上野4-7-8 アメ横センタービル1F路面店TEL:03-3832-8346 営業時間(平日)11:00~19:30、(土日・祝日)10:00~19:30

https://www.mita-sneakers.co.jp/

Photo by Hiroyuki“Lily”Suzuki(StudioLog)

Text by Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)

Original Movie

国井栄之のKICKS OF THE WEEK #15 New Balance「U1906L」

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