

「ミタスニーカーズ」のディレクターである国井栄之さんが、毎週、独自の視点で気になるスニーカーをピックアップして率直な主観で語る動画「国井 栄之のKICKS OF THE WEEK」との連動企画。
第3回目は「NIKE(ナイキ)」の独自開発技術「EASY ONテクノロジー」を搭載した「レボリューション8」を紹介。今回は、大人気SF映画への登場を機に話題となったテクノロジーの実現化の背景と、その魅力を国井さん本人に聞いた。
映画に登場したテクノロジーを実現した「ナイキ」
過去や未来にタイムスリップし、自分や知人に降りかかる災難を解決する模様を描く映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。マイケル・J・フォックス主演のSF映画の金字塔として名高いが、本作の第2弾に登場したスニーカーに搭載されたテクノロジーが今回の主題となる。今回紹介する「ナイキ」の「レボリューション8 EASY ON」について国井さんはこう語る。
「今回紹介するモデルは、ランニングシューズとして開発された快適性とサポート性を重視した『ナイキ』の『レボリューション』シリーズの第8世代となります。
このモデルの最大の特徴は『ナイキ』が開発した『EASY ON テクノロジー』を搭載していて、柔軟性に優れた踵を滑らせることで手を使わずに着脱が可能なハンズフリー仕様にアップデートされている点です。
このテクノロジーは他のモデルにも使われているユニバーサルデザインとなっています。実は『ナイキ』はこのテクノロジーに関して昔からトライしているのですが、一番わかりやすい例としては、『エア マグ』というモデルになります。

これは1989年に公開されたマイケル・J・フォックス主演のSF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』で登場した自動でフィッティングを調節してくれる未来のスニーカーが元になっていると考えると、わかりやすいかと思います」
「ナイキ」のスニーカーは映画に登場することで人気を博してきた経緯もあるので、未来のスニーカーとして登場したテクノロジーを追求していくのも納得がいく話だ。
「エア マグ」をさらに進化させた「ナイキ」の矜持
革新的なテクノロジーを世に送り出し続けてきた「ナイキ」。国井さんは「エア マグ」についてこう続ける。「『エア マグ』に関しては、2011年と2016年には実際に限定で発売されました。しかもオリジナルモデルは、オークションにおいて20万ドル(当時のレートで約2,200万円)で落札されたと言われています。

『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』でマイケル・J・フォックスが未来にタイムスリップした年代が“2015年”と考えると、かなり夢のある話ですよね。さらに『ナイキ』の追求心はそれに留まりません。
2016年には『ハイパー アダプト 1.0』を開発します。伝説の天才デザイナーであるティンカー・ハットフィールド氏と彼のチームによってデザインされたこのモデルは、電気の力でシューレースを調節する『E.A.R.L.(自動シューレース調整システム)』が搭載されています。

足裏にシューレースをコントロールする仕組みを配置して、一人ひとり異なるヒモの結び方やフィット感にアプローチしているのは本当に画期的だと思います。
今でこそ、各社手を使わずにシューズが履ける技術を搭載したモデルをリリースしていますが、『ナイキ』は映画が公開された年からそのテクノロジーに注目し、実現化に向けてアプローチしていたことを考えると、先見の明があると言わざるを得ません」
高齢化社会に向けたテクノロジーは必須!?
今回、この「レボリューション8」をピックアップした理由はなんだったのだろうか。それについても国井さんはこう語る。「今回、僕たちがこれをピックアップしたのは、『ナイキ』のテクノロジーを体感しやすい価格帯もそうですし、タウンユースにも最適な機能が備わっているからです。
普段、お店で『レボリューション』シリーズを取り扱っているかといえばそうではないんですが、今回のアップデート版は脱ぎ履きの多い日本の文化にもフィットしていますし、エントリーモデルとして様々なシチュエーションで履いてもらえると思います」

国井さんはこのモデルをどんな人におすすめしたいのだろうか。そこに関しても国井さんはこう続ける。
「何十年も前に『ナイキ』のプロダクトに関わる方たちと『エア マグ』の現実的な未来についてディスカッションしたことがあって、このモデルが現実世界では誰に向いているのか雑談をした時に、高齢者の方に向いているのではないかという話になりました。
これから先進国はますます高齢化が進んでいきます。高齢者がスニーカーを履くときに、シューレースを結ぶ以前に、しゃがむのが大変という話も聞きました。だからこそ、手を使わずしゃがまなくてもスニーカーが履けるところから、おじいちゃんおばあちゃんにプレゼントする一足としてもおすすめです。
もちろん、若い方でもジムやランニングなどスポーツのアフターシューズとして履くのもおすすめですし、幅広い方にこのモデルを手に取って、実際に履いてみてほしいですね」

日本だけでなく、全世界が抱える少子高齢化という問題についても考えながら、シューズセレクトをしている国井さんの先見性も素晴らしい。
スニーカーを履くときの煩わしさを排除する「EASY ONテクノロジー」が使われた「レボリューション8 EASYON」は、本当に脱ぎ履きが楽なので、興味がある人はぜひ、手に取ってみてほしい。
PROFILE

国井 栄之(くにい しげゆき)
mita sneakers ディレクター
東京の下町である上野から世界へ向けて独自のスニーカースタイルを提案するmita sneakersでディレクターを務める。数多くのブランドとのコラボモデルや別注モデルでもその手腕を発揮。現在は虎ノ門ヒルズにオープンしたショップ「Herringbone Footwear(ヘリンボーン フットウェア)」の外部ディレクターも務める。世界的プロジェクトから国内インラインのディレクションまで多岐にわたり、スニーカープロジェクトに携わるスニーカー業界の最重要人物。

mita sneakers
東京都台東区上野4-7-8 アメ横センタービル1F路面店TEL:03-3832-8346 営業時間(平日)11:00~19:30、(土日・祝日)10:00~19:30
Photo by Hiroyuki“Lily”Suzuki(StudioLog)
Text by Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)
Original Movie
















