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「MAMMUT(マムート)」の定番フリースジャケット「Aconcagua Jacket(アコンカグア ジャケット)」の魅力に迫る
スイス生まれの世界的なアウトドアブランド「MAMMUT(マムート)」。登山用ロープや、雪崩により雪中に埋没してしまった人の捜索のための通信機器「ビーコン」など、登山家が絶大な信頼をおく製品が多数あることでも有名だ。
そのなかでも定番となるのが「Aconcagua Jacket(アコンカグア ジャケット)」。マンモスマークのクラシックロゴが印象的なフリースジャケットは、目にしたことがあるという人も多いはずだ。
今回はそのAconcagua Jacketに焦点を当て、マムート スポーツ グループ ジャパン株式会社 アシスタントブランドマネージャーの宇津木 正太さんに、歴史や同アイテムのディテール、素材について詳しくお話を伺った。
長年のロープづくりから、アウトドアブランドへ
MAMMUTがはじまったのは1862年と162年の長い歴史があり、アパレルをつくりはじめたのは1980年代のことで、その歴史は40年ほどになる。まずはMAMMUTのルーツから順に伺っていこう。「最初は農工具のロープ製作として事業がはじまるのですが、そのタフさから登山用に広く使われるようになっていきました。1980年代には日本の登山家の間から“マンモスロープ”という通称で愛用されていたほど、MAMMUTのロープは世界中に広まっていました。
そして、1980年代にアパレルコレクションを発表します。1990年代に入るとソフトシェルパンツという世界ではじめてリリースした高機能なアイテムが話題となり、1995年にはアスリートと共につくったMAMMUTの最高峰登山用アパレルコレクションの“エクトリームシリーズ”で、アウトドアブランドとしてたくさんの方に認知してもらえるようになりました」

MAMMUTのルーツを伺ったところで、今回深掘りしたいアイテムAconcagua Jacketのはじまりからお話を聞いていこう。
「1997年の発売当時はAconcagua Pullという商品名で、プルオーバーのデザインでした。この時代のさまざまなブランドからリリースされているフリースのほとんどがプルオーバーが主流だったといってもいいのではないでしょうか。ジャケットというよりはアルパイン用のインナーとして着るという認識の方が大きかったと思います。
また面白いのが、現在のMAMMUT製品の多くは右胸にブランドロゴ、左袖にマンモスマークのクラシックロゴが入っているのですが、このころはレギュレーションがいまほど厳密ではなかった時代なので、左胸にクラシックロゴが入っています」

フルジップ仕様がリリースされ、いまのデザインに
1997年から現在も続くAconcagua Jacketが、フルジップ仕様でリリースされたのは、2007年ぐらいからだという。「過去のカタログを遡っていくと2007年からAconcagua Jacketが掲載されています。フルジップ仕様で右胸にブランドロゴ、左袖にクラシックロゴが入り、胸ポケットは縦型のジップ開閉となり、現行の原型に近づいていきますが、サイドポケットはまだついていません。
アウトドアウエアはその快適さから普段着との垣根がなく着られてきたと思います。このAconcagua Jacketも同様に汎用性も高く、普段着として使われるようになると、サイドポケットも欲しいという声があがり、現在のモデルにつながっていきました」



さらに進化するAconcagua Jacket
Aconcagua Jacketの誕生後、Aconcagua Hooded Jacket(アコンカグア フーデッド ジャケット)やAconcagua Light Jacket(アコンカグア ライト ジャケット)など、DNAを受け継いだ進化モデルがリリースされる。これらのアイテムについても引き続き伺っていこう。「大きな進化といえばフードがついたAconcagua Hooded Jacketと、ライト版のAconcagua Light Jacketが生まれたことだと思います。
1997年のリリースから汎用性を高めていく過程で、フードが必要なシチュエーションに合ったものを求める声が上がったと考えられます。1990年代などはスピード登山のような概念がまだあまりない頃で、暖かさを重視した場合、バラクラバという目出し帽のようなものを着用していたのですが、その代わりに、頭、顔周りにフィットしたデザインのフードがついたAconcagua Hooded Jacketが登場しました。
さらにそれほど寒くならない地域や季節、環境の変化に合わせたアイテムのニーズが高まり、薄手のフリース生地のAconcagua Light Jacketがリリースされた、というストーリーが考えられます。各ニーズに対応していくには、形を大きく変えることなく、Aconcagua Jacketの必要な部分だけを変えていくというものづくりの仕方が一番の方法だったのではないでしょうか」



昔もいまもフリース生地は「POLARTEC(ポーラテック)」社のもの
Aconcagua Jacketには「POLARTEC(ポーラテック)」社のフリース生地が1997年当時から現在まで使われている。POLARTEC社は老舗のファブリックメーカーで、フリース生地を開発したことでも知られている。このフリース生地も時代と共に変化しているという。「Aconcagua Jacketには一貫してPOLARTECフリースが使われているのですが、フリース生地自体もまた時代で進化しているので、それにともなって質感や機能も変わっています。
現在は『ダブルフェイス』というフリース生地で、表面は起毛しておらず裏側のみ起毛しているものを使っているのですが、1990年代は『マイクロフリース』という生地が主流でした。これは摩耗や洗濯で毛足が短くなってしまうということがあったのですが、ダブルフェイスにすることで、表面の耐摩耗性が上がり、レイヤリングによる擦れで機能が低下することをおさえることができます。
さらに薄手のAconcagua Light Jacketは『グリッド』といわれるフリース生地を使用しています。これは同じダブルフェイスになっているのですが、格子状に裏毛が抜けていて、透湿性、汗抜けもよく快適に着られる生地となっています」


1997年の誕生からマイナーチェンジやブラッシュアップはされているが、長年にわたり大きくは変わらないという強み、それはすでに限りなく完成形だということではないだろうか。
今回お話を伺って、名品には長く続く理由があり、多くの人に選ばれる理由があるということがわかった。MAMMUTのAconcagua Jacket、ぜひワードローブに加えたい一着だ。
PROFILE

宇津木 正太(うつぎ しょうた)
マムート スポーツ グループ ジャパン株式会社
アシスタントブランドマネージャー
マムート製品のマーケティング全般から、プレス対応までさまざまな業務を担当。登山歴は15年。登山、クライミング、トレイルランなど幅広くアクティビティを行っている。



















