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綿100%にリニューアル! 無印良品の「あったか綿インナー」は何が違うのか

2024.11.02
以前、無印良品の夏場のヒット商品として「さらっと綿インナー」を紹介した。そのときに明らかになったのは、圧倒的な「綿」への信頼だった。そして今季は、冬場のアイテムである「あったか綿インナー」がアップデートし、「今年は綿100%のやわらかな肌あたり」というフレーズが掲げられた。
「綿100%」。これこそ、同社の理念を反映し、生活者がもっとも期待しているものではないだろうか。そこで同社衣服・雑貨部の高垣伊織さんと産地開発部の小山田亮さんに、あらためて「綿」の力についてお話を伺い、「あったか綿インナー」の魅力について語っていただいた。

PROFILE

高垣 伊織(たかがき いおり)

株式会社良品計画 衣服・雑貨部 インナー担当課長

PROFILE

小山田 亮(おやまだ りょう)

株式会社良品計画 産地開発部

「綿」の素晴らしさを伝える

あったか綿インナーの開発背景を教えてください。
高垣2011年から発熱インナーの販売をスタートさせました。当時は5品番ほどありましたが、無印良品の季節インナーを代表するようなアイテムにまで成長させることができませんでした。そこで、2022年に秋冬向けインナーの看板商品として「あったか綿シリーズ」を販売し、綿の素晴らしさを伝えていく方向に転換しました。
無印良品の衣料品では綿や麻などの天然素材を使用したアイテムも多く、天然素材は弊社の強みであるとも言えます。お客様からの支持も高く、肌着の基本素材である綿の特徴を最大限に生かしていこうと開発を進めてきました。
一般的な機能性インナーは合成繊維が多く、また市場も競争が激しいのですが、当社は天然繊維の綿で市場を拡大できればと考えています。
あらためて、綿の素晴らしさを教えてください。
小山田綿は古代から使われていて、私たちに大変馴染みのある素材となります。その綿が持つ機能としては、吸水性や吸湿性、中空構造による保温性、弾力性、伸張性、生分解性と挙げればきりがありません。
綿は合繊繊維と比較して肌に優しいという側面があります。一方、皮脂は肌の乾燥を防ぐ役割を果たしています。合繊繊維は皮脂とくっつきやすい性質を持つため、肌に必要な油分を吸い取ってしまい、肌が乾燥しやすくなります。また、綿は合繊に比べて水分を含むため、しっとりとした肌ざわりであり、肌かゆみの原因の1つとなる静電気が起きにくいのも特徴です。

吸湿発熱性を高めた改質技術

一般的な「綿」と「あったか綿」には、どんな違いがあるのでしょうか。
小山田綿は吸湿することで暖かさを生みますが、「あったか綿」は綿の湿気を結合する分子を増やし、水分を吸う量を増やすことで、発熱性能を高めています。
また、分子レベルで結合しているので、洗濯を繰り返してもこの機能が続くというのも大きな特徴になります。
この改質技術は、「あったか綿」のために開発されたものですか。
小山田改質は綿に対して行い、改質された綿を活用して、あったか綿専用の糸を特別に開発しています。「あったか綿インナー」は3種類あるのですが、それぞれ違う糸で作られています。納得できる商品となるまで、何十回、何百回と試作を繰り返して、ようやくいまの形になりました。

綿100%になった「あったか綿インナー」の真価

今回、あったか綿シリーズが綿100%になりました。こだわりの点を教えてください。
高垣無印良品の衣料品やインナー商品は綿が好きというお客様に多く支持されています。22年・23年シーズンの秋冬向けインナー商品には、なめらかさと薄さを出すためにレーヨンを入れていました。お客様の声のなかで、無印良品のインナーは綿だけが良かったという声が我々の想像以上に届く結果になりました。
ですから、綿を最大限に生かしたインナーを開発することで、皆さんの期待に応えたいという思いとともに、それが実現できれば他社にはない強みになると考え、開発を進めました。
綿100%を実現するために、苦労した点はどこでしょうか。
小山田伸縮性やフィット感を出すために、一般的な肌着にはポリウレタンが多少入っています。綿97%、ポリウレタン3%といった具合ですね。ですが、弊社はその3%も妥協せず、商品開発を進めました。
ここを乗り越えるためには、すべてを見直す必要があり、糸や編み地、縫製やパターンなど大幅な変更がなされました。
今季になって綿100%のシリーズが販売できるようになったのは、糸や編み地、縫製やパターンの変更以外には、あったか綿素材の技術革新という面が大きいですね。
「あったか綿インナー」のラインナップとそれぞれの特徴を教えてください。
高垣それぞれの暮らしの環境に合ったものを着用していただきたいという思いから、3種類ご用意しました。
「あったか綿」は、肌寒い日にインナーとして着ていただきたく、バリエーションも豊富にそろえていて、綿100%ながらフィット感も重視した商品になります。編み方をフライス編みに見直し、縫製の縫い代が肌に当たりにくい仕様になっています。
「婦人 あったか綿 Uネック八分袖Tシャツ」1,490円(税込)
フライス編みに変更
野外で活動する方に向けては「あったか綿 厚手」があり、「あったか綿」よりもさらに暖かさを出すために、微起毛を採用し、一枚でも着られるようなデザインにしました。
「紳士 あったか綿厚手 クルーネック長袖Tシャツ」1,990円(税込)
最後に、豪雪地帯など極寒の地でも暖かさを感じるためにウールブレンドの「あったか綿 ウール」があります。肌あたりのよさを考え、17.5マイクロという非常に細いウールを使用しています。内側を起毛することで、あったか綿シリーズで最も厚みがあり、一枚着としても使えます。 
「婦人 あったか綿 ウールタートルネック長袖Tシャツ」2,990円(税込)
「あったか綿ウール」以外は、ほとんどが綿100%[1]になりましたので、以前の商品をご購入いただいていたお客様や、綿100%を待ち焦がれていたお客様も永く愛用していただける商品になったと思います。
生地や編地を大きく変更されたとのことですが、紳士用と婦人用でも違いはありますか。
高垣弊社は7割が女性のお客様ということもあり、バリエーションも婦人用のほうが多いのですが、基本的な生地や縫製は紳士用も婦人用も共通していて、綿はオーガニックコットンを使用しています。
紳士と婦人では襟ぐりの仕様を変えています。紳士用はTシャツっぽいカジュアル感、婦人用はトップスに合わせて着こなしがきれいに見えるようにデザイナーさんに工夫してもらっています。特にあったか綿はトップスにひびきにくいインナーならではの華奢な始末にしています。
綿100%になって、お客様の反応はいかがでしょうか。
高垣ネットのレビューでは、「綿100%になって最高」「綿100%になってうれしい」といった声がやはり多く、高評価をいただいております。
まだまだレビュー数は少ないですが、これから冬が本格的になるにつれて「あったか綿」のレビューが増えていけば、非常にうれしく思います。
今後、「あったか綿」はどういった進化を遂げるのでしょうか。
高垣「あったか綿」素材は、暖かさを感じる冬の綿としてインナー以外の使用も広がっています。今季は、あったか綿を使った新たな商品としてメンズのチノパンの販売を始めました。昨年からは「あったか綿 靴下」も追加され、冬場の蒸れで発生する汗のにおいを抑える機能を付けています。ほかには、あったか綿素材を使用した布団カバーなどの寝装用品も販売しています。
「紳士 足なり直角 あったか綿 厚手靴下(ウール入り・ライン)」990円(税込)
小山田「あったか綿」を使用した商品のバリエーションを増やしていくだけではなく、綿の改質技術をより効果的に扱えないかと考えています。
夏には夏の、冬には冬の、変わりゆく気候を感じつつ、それぞれの季節に合わせた商品を作り続けるとともに、お客様のニーズに応えていくことができれば、「綿といえば無印良品」というイメージもより広めていくことができると信じています。
一部の商品を綿100%にアップデートした今季の「あったか綿」シリーズ。この心地よさを手に取って体感してみてほしい。

《註》
[1]一部対象外商品あり

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