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2,000円台で本格スキンケア! 無印良品の「高濃度美容液シリーズ」を徹底解剖
無印良品のスキンケアシリーズから昨年リリースされた高濃度美容液[1]シリーズ。近年注目を集めている「ビタミンC」「レチノール」「セラミド」「ナイアシンアミド」の4成分にフォーカスし、それぞれ異なる肌悩みに応えるラインナップを展開している。
配合成分にこだわればこだわるほど価格が上がるのが美容液市場の常識だが、そんなセオリーを打ち破るように、同シリーズは税込み2,000円台という手に取りやすい価格と、肌のことを考えた処方設計・成分の配合量・使用感を両立している。
今回は、商品企画を担当する株式会社良品計画の中野さんに、高濃度美容液シリーズ開発の裏側と設計思想について詳しく話を聞いた。
肌に配慮した毎日使える“高機能”美容液
「高濃度美容液」シリーズは、昨年リリースされた新商品だ。その開発背景には、スキンケアにおけるニーズの変化があったという。「ここ数年で、スキンケアにおいて成分にこだわる方が増えてきています。特にレチノールやナイアシンアミドといった成分はよく知られるようになりました。一方で、こうした成分を高配合した商品は価格が高くなりやすい傾向にあります。そこで、機能性と毎日使い続けられる価格を両立した美容液を無印良品で展開できないかと考えました」

無印良品らしいこだわりは、処方のシンプルさにも表れている。すべての製品に共通するのが、天然由来成分100%[2]、アルコール、パラベン、フェノキシエタノール、鉱物油、着色料、香料フリーという処方だ。
「『余計なものを入れない』というのは、無印良品のものづくり全体に一貫した考え方です。美容液においても、肌に負担をかける要素を極力排除しながら、どんな方でも使いやすい処方を目指しています。
また、このシリーズはほかのスキンケアアイテムとの併用を前提にしているので、無香料である点もポイントです」
あらゆる肌悩みに応える4つの成分
ここからは、4種の美容液について詳しく見ていこう。「まず、『ビタミンC誘導体配合』は水溶性ビタミンCである『ビスグリセリルアスコルビン酸[3]』を高配合しています。ビタミンCそのものは不安定な成分で、光や熱、空気にも影響を受けてしまいます。そのため、安定性と保湿力のバランスに優れた誘導体を選んで配合しています。
毛穴やキメが気になる方に特におすすめです。日焼けしてしまったあとのスキンケアに使用する方も多く、通年人気の成分ではありますが、春夏は特に人気が高まりますね」

「続いて、『レチノール誘導体配合』は、レチノールに『パルミチン酸』を結合させた『パルミチン酸レチノール』という成分を主に採用しています。レチノールは効果が高い反面、安定性が低かったり刺激が強くなったりしやすいので、安定性の高さとマイルドな使用感を考慮して配合しました。
こちらはハリや弾力といったエイジングサインが気になる方におすすめです。また、レチノールは紫外線と相性が悪いので、夜の使用を推奨しています」

「『セラミド配合』は『セラミドNP』と『スフィンゴ糖脂質』という2種のセラミドを配合しています。セラミドNPは人の肌にもともと存在するヒト型セラミドで、角層内で水分を保持しやすく、なじみやすいのが特長です。一方、スフィンゴ糖脂質は水分と油分を抱え込む乳化作用を持ち、角質層を柔軟に保つ働きをします。
これらを併用することで、肌のバリア機能をより多面的に整える設計になっています。特に乾燥や肌荒れが気になる方やゆらぎ肌の方におすすめです」

「最後に『ナイアシンアミド配合』は、乾燥によるくすみや肌のキメにアプローチします。低刺激で、幅広い肌質に使える点もポイントです」

いずれもモニター試験を実施し、基準を満たしたものを商品化しているという。また、使用する成分の選定は、開発部門や取引先と綿密に連携して進められている。
「原料の制約があるなかで、効果が実感できつつ、使いごこちも追求するのは大変でした。成分によっては、濃度が高いとべたつきが出たり、安定性に影響したりすることもあるので、何度も試作を重ねて調整しました」
長く使い続けられる“習慣の一部”を目指して
本シリーズは発売から1年未満ながら、すでに多くのユーザーから高評価を得ている。「お客様からは、『全種類を使いたい』という声が予想以上に多かったです。肌悩みが複数ある方も多く、使い方に関するお問い合わせも多く寄せられました。複数の美容液を組み合わせる場合は、テクスチャーの軽いものから、レチノール→ビタミンC→ナイアシンアミド→セラミドの順に使うのがおすすめです。
ただ、配合濃度が高いため、敏感肌の方は様子を見ながらご使用いただきたいです。また、朝はビタミンC誘導体、夜はレチノール誘導体というように、時間帯で使い分ける方も多くいらっしゃいます」

「全種類使いたい」と思われるのも、コストパフォーマンスに優れた無印良品の美容液だからこそだろう。これが実現できているのは、同社が「特別な美容ではなく、毎日続けられるケア」を重要視しているからだ。
「私たちは、スキンケアを「美容」というより「日用品」として捉えており、毎日使い続けられる価格と品質のバランスを大切にしています。
そのために、パッケージも極限までシンプルにし、容器資材を共通化することでコストを抑えています。ただし、価格が安くても、成分は妥協していません。使用感や効果を感じてもらうために、安定性を保てる限界まで成分の配合量を調整しています」
すべての美容液は毎日1〜2プッシュ使用しても1〜2ヶ月もつという。たっぷり使うことを憚る必要もなく、継続しやすいので自分に合った成分を気軽に試せる。手に取りやすい価格だからこそ、まずは気になる1本から取り入れてみるのもいいだろう。

最後に、美容液の今後の展開について聞いた。
「今後の改良については、現在いただいているご意見をもとに検討中です。成分や配合量の見直しは常に行っています。
お客様が選びやすい商品展開を基本としているので、バリエーションをどんどん増やしていくよりも、“質の向上”を大切にしていきたいです」
無印良品にとってスキンケアとは、美容というより生活の一部である。今後も無印良品らしいアプローチで、多くの人々の肌悩みに寄り添う商品を展開し続けるだろう。
PROFILE
中野 倫弥(なかの ともみ)
株式会社良品計画
H&B(ケア)担当カテゴリマネジャー
[1]高濃度、高配合:無印良品の製品において
[2] 天然成分を化学的に反応させた成分を含む
[3]保湿成分












