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紫外線も乾燥も“味方”に変える──皮膚科学の最前線「肌ストレス調和理論」とは?
ストレス社会と言われる現代、肌においてもストレスがかかることが多い。紫外線や乾燥、化学物質などが肌にとって悪影響であることは広く知られている。これらのストレスと肌本来の力に着目し、「肌ストレスを味方にできれば、美肌を保つ鍵になる」と考えたスキンケアブランドがSKINFONIA(スキンフォニア)だ。
今回は開発に携わった、ハリム大学の研究教授(皮膚科学研究)である内田良一教授を取材。エイジングサインや敏感肌に悩む人が知っておきたい、肌ストレス調和理論について詳しく聞いた。
PROFILE

内田 良一(うちだ よしかず)
薬学博士
東京薬科大学薬学部卒業、同大学院薬学研究科修士課程修了。国内大手化粧品会社にて、皮膚科学とスキンケア化粧品開発に携わる。1999年、カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部皮膚科に就任。研究准教授、研究教授を経て、2021年ハリム大学の研究教授(皮膚科学研究)に就任。同年「肌ストレス調和理論」に基づくSymfonia Cocktail™︎を設計し、SKINFONIAを開発
バリア崩壊や紫外線が、美肌のスイッチになる理由
ストレスによる肌への影響は具体的にどのようなものがあるのか、内田教授に聞いた。「肌のストレス源として、紫外線、乾燥、花粉や細菌などのアレルギー物質、化学物質などが挙げられます。黄砂も単なる砂ではなく、日本に飛散するまでに大気汚染物質や微生物など、さまざまな物質を吸着しているので注意が必要です。
これらのストレス源は、主に酸化ストレスを引き起こします。酸化ストレスとは、活性酸素を過剰に発生させること。活性酸素は免疫機能や細胞間のさまざまな調整に必要なものではありますが、多すぎると健康や美容にとって悪影響をもたらします。具体的には、活性酸素が炎症を誘引し、肌荒れや色素沈着、老化促進を起こすのです」
内田教授が肌ストレス調和理論に至るきっかけとなったのが、皮膚バリア機能に関する研究だ。皮膚バリアが壊れ水分が蒸散すると、その刺激が回復の引き金になる。水分透過性のある布で覆った肌は、水分の蒸散を適度に保つことで、自然な回復が促される事実からである。

内田教授は、セラミドの細胞における情報伝達機能を研究していた際、壊れた皮膚のバリア機能が回復するとき、抗菌ペプチドの産生も高まり、肌の免疫力が上がることを判明した。つまり、水分の蒸散というストレスが、肌を鍛えるスイッチにもなるのだ。
また、紫外線や化学物質によっても同様の反応が起き、セラミド量や抗菌ペプチドの産生が高まることもわかってきた。こうした研究の蓄積から、「肌ストレスを味方にできれば美肌につながる」という肌ストレス調和理論が生まれた。
適度なストレスが皮膚の複合バリア機能をサポート
水分の蒸散や紫外線などの適度なストレスはセラミドを増やし、抗菌ペプチドの産生を促すが、過度なストレスはもちろん逆効果になる。「強すぎるストレスでは皮膚はダメージを受け、バリアの回復や抗菌ペプチドの産生といった複合バリア機能は働きません。適度なストレスと皮膚が調和することでこのメカニズムが起動し、総合的なバリア機能が高まるのです。
アトピー性皮膚炎のようにセラミドや皮膚のバリア成分がうまく作れず、皮膚のバリア機能を保つのが難しい肌でも、この理論にもとづいたスキンケアを行えば、ある程度肌状態を補えると考えています」
強すぎる刺激は避けつつ、適度なストレスとスキンケアの調和が、健康な肌を保つ鍵となる。
さらに、近年敏感肌を自覚する人が増えている背景には、ストレス環境の変化もある。
「現代人のストレス調和力が弱くなっていると一概には言えませんが、生活習慣の変化により新たなストレスが増えています。ブルーライトや空調による乾燥など、かつてはなかった要因も多く、加算的にストレス量が増し、調和する力が追いつかなくなっている可能性があります。敏感肌やエイジングサインが気になる人は、ストレス量や肌の調和力を見直すことが大切です」
肌ストレス調和をサポートする、SKINFONIAのスキンケア

内田教授が提唱する肌ストレス調和理論をもとに誕生したのが、スキンケアブランド・SKINFONIAだ。
「肌の健康は、水分や抗酸化、抗菌など多面的なバリア機能によって保たれます。そこでSKINFONIAでは、これらの機能を総合的に支えるために、独自に開発したSymfonia Cocktail™︎を採用しています。
ただし、有用成分は多ければよいというものではありません。たとえば、保湿成分として知られるセラミドも、過剰に補えば細胞死を招くリスクがあります。目的に応じた適切な量や、成分同士のバランスが大切です」
Symfonia Cocktail™︎は、高い保湿力で肌をなめらかにするセラミドNG、肌をおだやかにしバリア機能(角質層)のサポートをするナイアシンアミドなど、5種の成分を独自の黄金比で配合。長期的に使えるよう成分選定も工夫されている。
「有用成分には刺激の強いものもあり、効果の出方に個人差もあります。薬にも副作用があるように、スキンケアも量とバランスが重要。肌のお手入れは一過性ではなく、何十年も続くものなので、長く使える処方であることが必要です」

Symfonia Cocktail™︎の開発には3年を要し、臨床試験を通じて効果が確認され、論文化もされた。結果が出なければ製品化は見送るという姿勢は、SKINFONIAを手がけるTIERRASの吉田社長のこだわりでもある。
「製品化にあたっては、安定性や使用感など、細部までベストを追求しました」
こうして妥協なく設計されたSKINFONIAには、肌と長く付き合っていける工夫が詰め込まれている。
紫外線との“ちょうどいい距離感”とは?
適度なストレスが必要とされるなか、紫外線対策はどうすればよいのだろうか。「紫外線の強さや肌のバリア力にもよりますが、紫外線を美肌への刺激として生かすのは、そう簡単ではありません。とくに夏の屋外や雪山などでは紫外線量が非常に多いため、やはり日焼け止めや日傘などの対策は欠かせません」
一方で、紫外線には必要性もある。ビタミンDは紫外線を浴びることで産生され、骨の健康に不可欠なだけでなく、免疫力の強化を含めて健康維持に必要である。サプリメントや食事でも補えるが、体内で自然に生成するのがもっとも確実とされている。
近年は屋内作業の増加や過度な紫外線対策の影響で、ビタミンD不足が問題になっている。朝日を軽く浴びたり、食事にサーモンや干ししいたけなどを取り入れたりするのも、ビタミンD不足解消のひとつの方法だ。
「こうした紫外線との付き合い方に加えて、スキンケアや生活習慣を見直すことも大切です。ビタミンやミネラル、タンパク質をきちんと摂ること、そして夜はしっかりと睡眠をとること。朝の光を浴びることで体内時計が整い、ホルモンバランスの安定にもつながるでしょう」
肌のストレスがよい方向に働くという視点は、多くの人にとって新鮮かもしれない。肌の調和力を引き出すためにも、日々のケアや暮らし方を見直してみてはどうだろうか。
Text by 継田 理恵(美容家/ライター)









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