JA/EN

AI検索

関連ハッシュタグ

Articles

「塗る」から「まとう」へ 福助が提案する、肌を美しく見せる新しいUVケアのかたち

2026.07.23
福助株式会社はストッキング生地を用いて、20デニールほどの薄さでありながらUVカット率90%以上を実現した紫外線対策ブランド、『まとう、UVヴェール』を開発した。
この記事では、同社にてストッキング関連商品の企画に従事し、同ブランドを立ち上げた坂東茜氏に話を聞き、衣服を通じたUVケアがもたらす美容領域の新たな価値について伺った。

PROFILE

坂東 茜(ばんどう あかね)

福助株式会社 商品本部 ストッキング・インナー部 ストッキングG MD

ストッキング関連をメインとした商品企画に従事。紫外線対策アイテム『まとう、UVヴェール』のブランド立ち上げおよび企画開発を担当している。

「着ている感」をなくす、ストッキング技術の応用

新型コロナ以来洋服の好みがカジュアルダウンしていくなかで、ストッキング関連商品の売り上げは徐々に縮小していく傾向にあった。福助株式会社にてストッキング関連商品の企画に従事する坂東さんは、この厳しい状況下で自社の持つ資産をどう生かせるかを見つめ直していた。
薄くても破れにくい編み立ての技術や、肌に吸い付くような滑らかな肌触り。これらのストッキング特有の技術を、何か別のアイテムに応用できないかという模索が始まっていた。
ちょうど春夏シーズンの企画が立ち上がった段階で、坂東さんは生活者の間でニーズが高まっている紫外線対策に着目した。彼女自身、一年を通して日焼け止めを塗るほどUVケアに気を配っていたこともあり、消費者としての視点も持ち合わせていた。
そこで市場に流通している既存のアームカバーやレギンスを調査したところ、ある共通の課題が浮き彫りになった。というのも、紫外線対策のアイテムは生地が分厚く、色は黒が主流だったのだ。機能性を重視するあまりスポーティーな印象が強くなり、日常のおしゃれと両立しにくいという不満が潜んでいることに気がついた。
「身につけるものを選ぶ際、洋服とのコーディネートを考えなければならないのは負担になります。着ている感が目立ち、洋服の邪魔をしてしまう部分をなんとか改善できないかと、ネットの口コミなどを見ながら考えていました」
坂東さんはそう振り返る。アームカバーに洋服を合わせるのではなく、どんな洋服にもなじむようなアームカバーを作る。それは、長年女性の足元を美しく見せるためのストッキングに向き合ってきた福助だからこそ、導き出せたアプローチだった。
まとう、UVヴェール UVアームカバー(ショート丈) 880円(税込)。アームカバーにはロング丈もあるほか、ストッキングやレギンスなどもラインナップ。さらに今の季節にうれしい涼感タイプも展開中

透明感とUVカット機能を両立する「カバリング糸」の秘密

目指したのは、素肌のように透け感がありながら、紫外線を確実に遮断する生地の開発である。一般的に、ニット生地で高いUVカット率を出そうとすれば、糸を太くして生地を厚くさせるか、色を濃くして光を通さなくするか、あるいはマットな質感にして透明度をなくすしかない。しかし、それではストッキング特有の透明感や美しさが失われてしまい、肌を綺麗に見せるアイテムとしては使いづらくなってしまうのだ。
この難題を突破する鍵となったのが、東レ株式会社が開発した「クリアベール®」という特殊な糸だった。糸自体が紫外線を吸収する性質を持ちながら、高い透明感を維持できるという画期的な特性を持っていたのだ。坂東さんらはこの糸を採用し、もともとストッキングの製造で使われている「カバリング糸」の構造を用いた。
これは、伸び縮みするポリウレタンの芯糸に、紫外線を吸収するクリアベール®を巻きつけるというものである。これにより、UVカット機能に加えて、動きに追従する程よい伸縮性と、一日中つけていても窮屈になりにくい柔らかなフィット感を生み出している。
このカバリング糸の製造は繊細なバランスの上に成り立っているという。
「芯に糸を巻く度合いが、生地の硬さや柔らかさに直結します。巻きすぎると伸び縮みしにくくなって硬くなり、逆に少ないと肌触りが悪くなります。商品の規格に合うかどうかの調整には、かなり研究を重ねました」
長年付き合いのある工場と連携し、糸の組み合わせや編み方を微調整する日々が続いた。そして完成した試作品は、ストッキングでいうと20デニール程度の極薄の生地に仕上がった。公的機関の試験で、この薄さでありながらUVカット率90%以上という数値が実証された瞬間、坂東さんは上司とともに歓声を上げたという。肌が透けるほどの極薄生地が、目に見えない紫外線を確実に吸収した証しだった。
伸縮性に優れ、極薄生地でありながらUV遮蔽率90%以上を実現

「塗る」から「まとう」へ、美容とファッションをつなぐ新体験

『まとう、UVヴェール』と名付けられたこのシリーズは、単に日焼けを防ぐだけのアイテムではない。ブランド名には、ショールを「まとう」ような美しさと、花嫁のベールのような透け感の美しさが込められている。何十色もある同社のストッキングのカラーバリエーションの中からニーズに合うベージュを厳選し、アームカバーなどに落とし込んだ。これにより、メイクアップ機能がもたらされた。
ファンデーションのように選べるベージュカラーは、気になる毛穴・傷・くすみをカバーしてくれる
「脚や腕は自分でもよく目に入る部位です。血管や傷などを自然に目立たなくし、肌を綺麗に見せたいというお客様のサポートができればと考えました。つけることで気になるところがカバーされるので、気持ちが楽になるという価値にもつながっています」
腕のシミや傷が気になって半袖が着られないという悩みを持つ人にとっても、この商品は肌のトーンを均一に整える役割を果たす。さらに、日焼け止めのようにベタついたり、こまめに塗り直したりする手間がない。洋服に日焼け止めクリームがついてしまう心配もなく、必要なときにサッと着脱できる手軽さも大きな利点だ。普通のストッキングと同様に洗うことができ、UVカット効果が持続する点も日常使いに適している。
筆者が実際に涼感タイプのアームカバーを着用してみると、その構造の合理性を実感できた。締め付け感がなく、一見何もつけていないかのように自然でありながら、確かなカバー力で腕のキメが整って見えた。生地が極めて薄いため熱がこもらない構造になっており、歩いて腕を振るたびにひんやりと感じられ、暑さを感じさせない。物理的な快適さと心理的な安心感が、一枚の薄い生地の中に同居していた

想像を超えたユーザーの反響と、多様な利用シーン

発売後、この「まとう」という新しい紫外線対策のアプローチは、美容に関心の高いユーザーから想像以上の反響を呼んだ。消費者の紫外線対策に関する知識が高まり、本当に効果があるものの実証が求められるなか、「素肌のように見えるのにシミを目立たなくカバーしてくれてうれしい」「これなら肌が綺麗に見えていいかも」といった喜びの声が、レビュー欄に多く寄せられた。
さらに、坂東さんの予想を超えた反応も寄せられている。
「想像以上に『つけている方が涼しい』というコメントを多くいただきました。また、冷房の効いた部屋に入ったときに、これ一枚つけているだけで冷房対策になるというお声もありました。外では涼しく、室内では寒さを和らげるという相反するメリットがあることがわかりました」
『まとう、UVヴェール』が活躍するのは、日常の買い物や通勤といったシーンにとどまらない。ユーザーからは、屋外で長時間プレイするゴルフの際にも使いやすいという声も上がったという。ウォーキングなどの軽い運動や屋外イベントなどのさまざまな場面で、ファッションを邪魔せず肌を守るアイテムとして重宝されるはずだ。
肌に密着しながらも蒸れにくく、高い伸縮性により肘の曲げ伸ばしもストレスなく行える

福助が描く、美容とウェルネスの新たな接点

衣服によって肌を守り、同時に美しく見せるという『まとう、UVヴェール』のアプローチは、機能性衣料が美容領域に踏み込んだひとつの成功例といえる。福助株式会社は今後、体と心がポジティブな方向へとつながるウェルネス関連商品のさらなる展開を目指し、さまざまな可能性を模索している段階だという。
身につけることで肌が守られ、心も前向きになる。長年、人々の肌に直接触れる衣服を作り続けてきた企業が描く美容とファッションの融合は、私たちの日常をより快適で自由なものへと変えていく。

Text by China Sekido(altair inc.)

Tags

この記事はいかがでしたか?

シェアリンクをコピーしました

Related Articles

Related Database