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リアルな場を失ったとき、人は何のために「纏う」のか(角田貴広)

2020.04.29

PROFILE

角田 貴広 / 編集・ライター

1991年、大阪生まれ。東京大学医学部健康総合科学科卒業、同大学院医学部医学系研究科中退。ファッション業界紙「WWDジャパン」でのウェブメディア運営やプランニング、編集・記者を経て、現在はフリーランスに。メディアでの執筆をはじめ、ホテルベンチャー、IT企業のオウンドメディア運営、イベント・プロダクト企画など、メディア以外の広義の編集に関わる。

リアルな場を失ったとき、人は何のために「纏う」のか。そんなことを考えていた。
私はもともとファッション業界紙のエディターとしてアパレル業界を見てきた後、L&Gグローバルビジネスというホテルベンチャーのお手伝いをしている。
ファッションとは、広義では自らが「纏う」ライフスタイルの意思表示のことである。どんな洋服を着るか、どんな音楽を聴くのか。さらには、どんな暮らしをして、どんなホテルに泊まるのか。「纏う」大きさが異なるだけで、これらすべてをファッションということもできるだろう。さらにいえば、洋服が出かけたくなる動機を与えるものであるならば、ホテルはその欲望を満たすために存在する。洋服とホテル(空間)は切っても切り離せない関係にある。
さて、アナログな体験こそが最大の価値を生むホテル産業が、もしもリアルを失ったらどうなるのか。現実に起きているそれはまるで壮大な社会実験のようだ。私たちが運営する5つのホテルでは4月5日以降、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために臨時休業することを決めた。それと並行するようにnoteを活用したオウンドメディアを「HOTEL SOMEWHERE」という名称にリブランディングし、「オンラインに存在する架空のホテル」というコンセプトを掲げた。(これがホテルと呼べるかどうかはさておき)執筆時点では、バーチャルのみにホテルを持っていることになる。

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