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もう汗で悩まない! ザ・ノース・フェイスが力を入れる吸水速乾素材「FLASHDRY」の真価

2025.08.06
気候変動により、厳しい暑さが長期化し、汗への対策が重要な課題となっている。
こうした背景を受け、アウトドアブランドの「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」は、長年培ってきた吸水速乾技術「FLASHDRY(フラッシュドライ)」を、今季から機能名ではなく素材名としてリブランディングした。
ランニングや登山といったアクティブシーンから、蒸し暑い日のタウンユースまで、多様なシーンに対応するFLASHDRY。その開発背景と全貌について、株式会社ゴールドウインの千葉弥生さんに話を聞いた。

PROFILE

千葉 弥生(ちば やよい)

株式会社ゴールドウイン ザ・ノース・フェイス パフォーマンスグループ マネージャー

進化した「FLASHDRY」の多様性
FLASHDRYは、10年以上にわたり同ブランドが力を入れてきた機能性素材だ。
「当初は速乾性に優れた『FLASHDRY』と、肌離れの機能をより重視した『FLASHDRY 3D』の2種類を展開していました」
しかし、年々過酷になる夏の暑さを受け、ザ・ノース・フェイスは速乾機能をより多くの商品に搭載させるべきだと考え、開発を進めてきた。
その結果、今季からFLASHDAYは単なる機能名ではなく、吸水速乾素材の総称として再定義された。さらに、FLASHDAYの表記にあたっては、クリアすべき基準もより厳格なものへと改訂された。
「今回のリニューアルでは、従来ターゲットとしていたランニングや登山を楽しむアクティブユーザーに加え、蒸し暑い日常での快適性も重視し、ターゲットを細分化しました。これにより、タウンユースでも快適に使えるアイテムが増えています」
リブランディングに伴い、従来の『FLASHDRY』と『FLASHDRY 3D』に加えて、『FLASHDRY NATURE』、『FLASHDRY PRO』が新たに登場。4つのカテゴリで、用途やシーンに応じた展開が始まっている。

目的に応じて選べる4つのカテゴリ

一口に吸水速乾素材といっても、『FLASHDRY』にはカテゴリごとに異なる特徴がある。
「それぞれのカテゴリで機能を追求しつつ、全体としてのバランスを保ちながら商品展開をすることが、今回のリニューアルにおける最大の挑戦でした」
Tシャツからポロシャツ、パンツ、スウェット、キャップなど幅広いアイテムに展開
ベースとなるのは、幅広いシーンに対応する『FLASHDRY』素材だ。
「名前は以前と同じですが、吸水速乾性の基準はより厳しく設定されています。アクティビティから街中での使用まで、さまざまなシーンで活躍する万能型です」
「FLASHDRY 3Dは、ぬれたときに生地が肌にベタつきにくい“肌離れ”に特化した素材です。もともと実現するのが難しい素材だったため、今回のリニューアルでも基準の変更はありません。
登山のときなどに、汗冷えを防ぐためにTシャツの下にベースレイヤーを着ることが多いと思いますが、『FLASHDRY 3Dはこれ一枚で快適』と直営店や専門店で評価されています」
2層構造を採用
裏面の編み構造と撥水糸によって肌離れを高め、汗を吸った後の生地が肌面から離れるように設計。
肌に触れる面で水を弾き、外側で吸収する2層構造の仕組みで、肌面をドライに保ってくれる。
また、肌離れの良さは汗冷えによる体温低下も防ぐため、体が冷えにくい効果もあり、縦走登山などにもおすすめだ。
「汗冷え対策としてメリノウールを選ぶ方もいますが、発汗量が多い人には、素材が張り付いて、汗冷えや不快感につながることもあります。FLASHDRY 3Dはそのようなベタつきを軽減してくれる素材です」
天然素材で日常の快適さを追求したのが『FLASHDRY NATURE』だ。
「天然繊維は、吸湿性に優れていても、汗を吸い取ったあとに乾きづらいというデメリットがありました。FLASHDRY NATUREは、コットン100%でありながら、業界標準より厳しい速乾基準をクリアしています。蒸し暑い季節でも乾きやすい。普段着にも、少し運動するのにもぴったりな素材です。
開発にあたっては、天然繊維の風合いを損なわずに、速乾性を持たせるのにとても苦労しました」
撥水加工に頼らず、素材そのものの持つ特性や織り・編み方の工夫で高い速乾性を実現したという。
コットンならではの着心地のよさを損なうことなく、機能性が担保されているところに、ザ・ノース・フェイスの技術力を実感できるはずだ。
そしてアスリートやトレーニーのために、究極の速乾性を追求したのが『FLASHDRY PRO』である。薄くて軽いメッシュ素材が多用され、透湿性にも優れている。
「ランニングやトレイルランなど発汗量が多いシーンでも快適に着られるよう、もっとも速乾性に優れた素材です。
我々が目指す吸水速乾性の高い基準を超えられる素材が限られていたこともあり、どのように着心地のよい商品に落とし込むかに苦労しました」
厳しい基準をクリアするため、素材メーカーとの共同開発を進めた。アスリートによる着用テストも重ね、そこから得られたフィードバックも取り入れられているのも特徴だ。
実際に「走っているときに汗が拡散されているのを感じる」「乾くのが速い」といった声が寄せられているという。

この夏着たい、おすすめアイテム3選

今回のリニューアルによってラインナップが増えたことで、どれを選べばいいか迷う人もいるだろう。そこで千葉さんに、特におすすめのアイテムを3点紹介してもらった。
「HST スリーブレスハイパーベントクルー(メンズ)」12,100円(税込)
運動量や発汗量の多いランニングやトレイルランに最適なのが、FLASHDRY PROの『HST スリーブレスハイパーベントクルー』だ。
「FLASHDRYの中でももっとも通気性に優れたモデルです。こちらは、体の動きを解析し、汗のかきやすい部位をマッピングしています。部位ごとにメッシュの大きさを変えることで、運動中の蒸れを効果的に逃がします」
部位ごとにメッシュの大きさを変えることで素早く汗を放出
独自のメッシュ構造に加え、肌面の凸部分にはっ水加工を施すことによって、ドライ感もキープしてくれる。
「ショートスリーブフラッシュドライスリーディーティー(ユニセックス)」8,140円(税込)
FLASHDRY 3Dからは、登山シーンで真価を発揮する『FLASHDRY 3D Tシャツ』をすすめてくれた。
「裏面に凹凸を設けた薄手のTシャツです。この構造と水を保持しないはっ水糸の影響で肌離れが良く、薄手でもべたつきません。
縦走登山のような長期間の行動で、汗冷えによる体温低下を防いでくれます」
さらりとした風合いが特徴
バクテリアの繁殖を抑え、においの発生を軽減するポリジン加工を付与。さらに、紫外線カット率85%も備えているため、まさに真夏の登山にぴったりのアイテムといえるだろう。
「ショートスリーブフラッシュドライヌプシコットンティー(メンズ)」6,050円(税込)
最後はFLASHDRY NATUREから、天然繊維100%でありながら、速乾性を備えた『ショートスリーブフラッシュドライヌプシコットンティー』だ。
「日常使いしやすいベーシックなTシャツです。トレンドのボックスシルエットなので通常サイズでも少しゆとりがあります。どんなボトムにも合わせやすい一枚です」
発売から間もないが、「コットン100%なのにベタつかない」「肌触りの良さが生かされている」といった喜びの声が多数届いているという。

ブランドが描く機能素材の未来

リブランディングを果たした「FLASHDRY」は、今後どこへ向かうのか。
「春と秋が短く夏が長くなっている状況下で、暑さ対策と不快感へはなるべく早く対応できるようにしたいですね。今後は、消臭やUVカット機能との複合化も視野に入れています」
さらに、機能素材の未来像については「究極は、一枚で体温調節まで担うウエア」と語る。
「まるで宇宙服のように、何日も快適に着続けられる。そんな未来を描きつつ、まずは『少ない枚数でいかに快適に過ごせるか』を追求していきます。そのなかで、ユーザーの方にはFLASHDRYの機能をうまく組み合わせていただけたらと思いますね」
進化した「FLASHDRY」がもたらす快適性を、自身の肌で体感してみてはいかがだろうか。

Text by Junko Hayashida

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