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「壊れたら捨てる」に終止符を! リサイクル素材で挑む「TIERRAL(ティエラル)」が考えるスーツケースの理想型
夏の旅行シーズンを終えて、再び日常が動き出す9月。出張や週末の小旅行など、次の移動に備えてスーツケースの買い替えを検討している人もいるかもしれない。
旅の相棒として欠かせないスーツケースだが、壊れた瞬間に、それは厄介な“粗大ゴミ”になってしまう。この現実を少しでも解決したいと立ち上がったのが、スーツケースブランド「TIERRAL(ティエラル)」だ。スーツケースが抱える問題、そしてどのような環境配慮がなされているのか。TIERRALを手がける伊藤忠リーテイルリンクの山口純宏さんに話を聞いた。
PROFILE
山口 純宏(やまぐち よしひろ)
伊藤忠リーテイルリンク株式会社
営業第三本部 ライフ&リビング第一部 ライフ&リビング第二課
日本では、壊れてゴミとなったスーツケースは、その多くが粉砕されて埋め立てられている。環境省の発表によると、全国の一般廃棄物最終処分場の残余年数は20年程度と推定されており、埋め立て地不足は喫緊の課題となっている。
「コロナ禍で断捨離をされた方も多いと思いますが、旅行に行けない状況からスーツケースを捨てられる方がとても多かったんです。あまりに量が多いので、なかには一般ゴミで出せるようにした自治体もあったほどです」
スーツケースの使用実態に即した製品改良が求められるなか、TIERRALは素材選定から見直しを図り、環境負荷軽減の観点から再生PETの使用に踏み切った。
「PET製造工程におけるCO2排出量は1kgあたり約2.15kgですが、再生(リサイクル)PETであれば1kgあたり約0.45kgと、8割ほどのCO2を削減できます。またPET素材は焼却時に有毒ガスやダイオキシンが発生しないため、焼却処分の面でも安全性が高く、製造に関わる作業員の皆様の健康にも配慮された原料です」

ただし再生PETであればなんでも良いというわけではない。そのためTIERRALは、中国・上海にある再生PET専門企業をサプライヤーとしている。
「ここは社長が再生PETに非常に強いこだわりをお持ちの会社です。再生原料は質の高いペットボトルや食品用の食器、洋服類を厳格に選別しています。また、洗浄、粉砕後に乾燥させますが、水分が多く含まれていると、融解したときにコンディションが悪くなるなど、製造過程においても厳密な体制をとっています」
一方で再生原料には課題もある。PETに関わらず多くのプラスチック原料は再生する方が製造コストが高い。これが、再生原料が普及しない理由のひとつだ。
「ビジネス的な面では、再生原料を使わないほうが製造コストを抑えることができます。ただ、スーツケース市場には環境配慮型の商品はほとんどありません。TIERRALが「スーツケースでも環境配慮」という選択肢を作り出すことで、消費者の環境意識からの行動変容につながればと考えているため、ブランドとしては、利益を削ってでも多くの方に使っていただきたいという姿勢で取り組んでいます。
正直2万円程度の価格帯で再生原料を使うというのは、かなり難しいのですが、そこはブレずに、今後もさまざまな再生原料を取り入れていきたいと考えています」
スーツケースをゴミにしないキャスターの工夫
スーツケースをゴミにしないための工夫は他にもある。スーツケースで破損しやすい部分の筆頭はキャスターだ。長年の使用での摩耗や加水分解、旅行中に壊れたというトラブルもよく聞く話だ。

「キャスターを修理に出した場合、1輪だけ交換することはまずありません。というのも、1つだけ新しくなってしまうと、摩耗した他の車輪と高さが合わなくなり、バランスが取れなくなるからです。なので、最低でも2輪からの交換となるのが普通ですが、修理費は一般的に8,000円ほどになります。
仮に1万円台のスーツケースだった場合、8,000円もかけて修理するならば、買い替えた方がいいとなりますよね。その結果、今使っているスーツケースは廃棄せざるを得なくなってしまいます」
そこでTIERRALが発売したのが、「TORERU2.0」シリーズだ。
このシリーズは工具を一切使わずに、ワンタッチでキャスター部分を取り外すことが可能になっていて、女性でも簡単にキャスターを着脱することができる。

「キャスターが破損した際に交換できるのはもちろん、旅行から帰宅後の玄関や収納時にキャスターを拭くのが面倒な方や、車輪のデッドスペースが気になっていた方からも好評です。キャスター部分は2個1,980円(税込)で販売しているので、家の中を汚さず、ゴミを減らせて、お財布にもやさしくなっています」
TIERRALのもうひとつの人気商品が「TOMARU2.0」シリーズだ。

「ボディ上にあるスイッチレバーを操作するだけで、キャスターにロックがかかる日本製のワイヤーブレーキを採用したシリーズです。日本ではストッパーのついたスーツケースが大変好まれます。そのため、TORERU2.0にはストッパー機能がないのですが、今秋発売予定の3.0ではフットストップ付きになる予定です」
移動中でも荷物の出し入れがしやすいフロントオープンや、手荷物をかけられるフック、荷物が増えた時にマチを広げて容量を拡張できるエキスパンド機能など、様々なユーザー目線で、使い勝手の良い機能性を装備している。


環境だけでなく、人にもやさしいスーツケースを
TIERRALは“品質・環境・未来”を大切にした製品づくりを行なっている。「製品には、環境配慮に加え、購入者の選択が支援活動にもつながる仕組みが組み込まれており、特に未来を担う子どもたちへの支援を軸とした取り組みを行っています。
それがスーツケース1つご購入につき、給食1食分の金額を認定NPO法人国連WFP協会(国連WFP協会)に寄付するレッドカップキャンペーンへの参加です。この国連WFP協会への支援活動認知拡大のため、製品にはレッドカップキャンペーンのタグも下げています」
「壊れた際にも交換・再利用できる設計とし、製品寿命を伸ばす構造を重視した」そんな“スーツケースの理想型”を、TIERRALはリサイクル素材と交換式キャスターという具体的な設計で実現してみせた。旅の相棒を未来につなぐという選択肢として、次の一台に「TIERRAL」を選んでみてはいかがだろう。
Text by Junko Hayashida












