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SNSで話題のユニクロ「ラウンドウルトラミニバッグ」: 小さなバッグに秘められた大きな機能性を紐解く
海外のインフルエンサーから火がつき、世界的なヒット商品となったユニクロの「ラウンドミニショルダーバッグ」。あまりの人気ぶりから「ミレニアル世代のバーキン」とも称されたこのバッグから、さらにコンパクトな「ラウンドウルトラミニバッグ」が登場し、すでにSNSでも大バズりしている。
なぜここまでのヒット商品が生まれたのか。その開発背景と機能性について、株式会社ユニクロの商品本部、メンズMD部リーダーの大友雅弘さんに話を聞いた。
PROFILE

大友 雅弘(おおとも まさひろ)
株式会社ユニクロ
商品本部
メンズMD部
インナーチームリーダー
新作として注目されている「ラウンドウルトラミニバッグ」だが、実は初登場は昨年10月になる。新宿本店のオープン時にノベルティとして配られた限定アイテムだったのだ。
「ミニバッグがトレンドになっていたので、ラウンドミニショルダーバッグの小さいサイズを作ったら面白いんじゃないか、話題になるんじゃないかと思ったんです」
ところが反響は想像以上だった。「あのバッグを買いたい」という声が殺到し、急遽、製品化が決まった。ノベルティと言えども、単なるサイズダウンではない。細部にはさまざまな工夫が凝らされている。
コンパクトな見た目ながらも実用的な収納力
まず注目すべきは収納力である。一般的にミニバッグはアクセサリー的要素が強く、収納力は限定的であることが多い。だが、同商品では実用性も重視している。
「開発当初から、スマートフォン+小さなペットボトルやコンパクトな折り畳み傘が入るぐらいの収納力は確保する予定でした。ただ、『ラウンドミニショルダーバッグ』を単純に縮小するだけではマチも小さくなってしまうので、収納力は担保しつつ、どこまで小さくできるかを検証しながらサイズを決めていきました」
SNSから広がった多彩なアレンジを可能にするデザイン
従来の「ラウンドミニショルダーバッグ」ではボディとストラップが一体化していたが、本商品では「チャームのようにミニバッグを使うトレンドの流れを意識」し、取り外しを可能にした。取り外し可能なストラップとコンパクトなボディとの相乗効果により、自由度は飛躍的に高まった。ユニクロとしてはショルダーと手提げの2WAY仕様を前提としていたが、ユーザーは多彩なアレンジをSNSで発信している。ストラップを外してバッグインバッグにしたり、同色の「ラウンドミニショルダーバッグ」に装着して親子持ちを楽しんだり、ベルトループに取り付けたりと、自由な発想が人気をさらに後押ししている。

さらに一般的なミニバッグのユーザー層とは異なり、男性ユーザーが多いことも同商品の特徴だろう。
「元々『ラウンドミニショルダーバッグ』も欧州では男性の購入比率が非常に高かったんです。お客様目線で考えると、確かにベーシックなデザインなので、メンズでも使えるアイテムで、結局は訴求の仕方だと実感しました。そこで今回は幅広い方々に使っていただけるよう、ジェンダーレスなカラーリングも意識して展開をしています。実際、バッグを持ちたくないという方からも、『これなら持てる』という声をいただいています。ただ、正直これほどまでに多くの方に支持していただけるとは想像していませんでした」

バージンナイロンの質感を再現したリサイクルナイロンを開発
見た目やサイズ感だけでなく、素材面にもこだわり、環境への配慮からリサイクルナイロンを採用している。
「ユニクロとしてはすべての商品において、可能な限りリサイクル素材を採用すべきだと考えています。発売当初のラウンドミニショルダーバッグはバージンナイロンで、独特のシボ感で汚れが目立たないなど高く評価をされていました。その風合いをリサイクルナイロンで再現できないかと挑戦を続け、ようやく実現した素材で、2024年秋冬から完全に切り替えることができました」
一般的にリサイクル素材は、バージン素材よりもコストが高い。しかし同商品は、税込み1,290円という価格を実現している点が際立っている。

「当初からこの価格を目指して開発を進めていたので、コストと機能性のバランスに関しては非常に苦しみました。たとえばストラップを固定式にすれば金具が減るぶん安く作れるのですが、幅広く使ってもらうことを考えると、妥協はできませんでした」
サイズが小さくなっても、製造コストは従来品とほとんど変わらない。そのため開発チームは、削減可能な要素を徹底的に洗い出し、改善を重ねていった。パターン配置を工夫して端材を最小限に抑えたり、縫製を簡素化して工程数を減らしたりするなど、細部にまでこだわりが詰まっている。
「これは多くの会社が行っていることだと思いますが、企画や工場、生産部、デザイナーが、ワンチームでコミットすることで実現するのがユニクロのやり方です」
リーズナブルな価格が「チャレンジしやすい」と好評を呼び、老若男女問わず支持を拡大しているのが「ラウンドウルトラミニバッグ」だ。小さなボディに詰め込まれた数々のこだわりが、日々新たなファンを惹きつけてやまない──。その背景には、“日常を快適にする技術”を追求し続けるユニクロの開発哲学が息づいている。
Text by Junko Hayashida















