骨粗鬆症ならぬ、皮膚粗鬆症を知っているだろうか。皮膚が萎縮して機能不全を起こす疾患で、症例写真を見ると驚いてしまうが、実は多くの人が悩むしわやたるみ、くすみといった皮膚の老化は、皮膚粗鬆症の一歩手前なのだとか。
今回は、皮膚粗鬆症に精通する皮膚科医の津田攝子先生を取材。皮膚粗鬆症になる前に徹底したい、エイジングケアの3つの要を聞いた。
PROFILE|プロフィール

津田 攝子(つだ せつこ)
皮膚科医・ 津田クリニック 副院長・ ドクター津田コスメラボ代表医
臨床スキンケア開発医として、またドクターズコスメの パイオニアとして35年のキャリアをもつ。2013年に美肌 ノウハウを集結させた「TSUDA」ブランドを創設。生み出したコスメは数々のベストコスメ賞を受賞している
皮膚粗鬆症とは? しわ・たるみ・くすみの放置は危険!
皮膚粗鬆症が悪化すると、皮膚の移植が必要になることも「皮膚粗鬆症(ひふそしょうしょう)」は、2007年にジュネーブ大学のSaurat氏らが骨粗鬆症を参考に造語[1]として発表した、比較的新しい疾患だ。津田先生によると、「この言葉が登場して20年近くになるものの、まだ多くの皮膚科医にも知られていない」という。
「皮膚粗鬆症とは、皮膚が弱くもろくなる状態のことです。表皮が薄くなって縮み、まるでしわくちゃになったアルミホイルのような見た目になります。皮膚の内側では、弾力を支えるコラーゲンやエラスチンといった繊維が縮んで変質し、うるおいを保つヒアルロン酸などの物質も減少するため、肌の弾力が失われていきます。
この症状は主に手や脚の皮膚に見られますが、皮膚の基本構造は顔も手足も同じですので、私は顔にも同様の症状が起こりうると考え、注意を促しています。