創業120年の歴史がある「
よーじやグループ」は、舞台化粧道具の販売から始まった。花街があり、歌舞伎が盛んだった京都という土地柄、舞台化粧の道具は広く愛され、多くの人の生活に根付いた。同社の代表的な商品でもあるあぶらとり紙も、舞台役者の声から誕生し、長く愛される商品となった。
京都のおみやげとしてのイメージが強い同社だが、現在は「脱観光依存」を目指したブランド作りを進めている。今回は、同社で代表取締役を務める國枝昂さんと、広報を務める中江珠々さんに、同社のあゆみや肌ケアブランドとして取り組んでいることなどについて、お話を伺った。
あぶらとり紙のブームをきっかけに、観光事業が拡大
御社創業の背景を教えてください。
中江「弊社はもともと舞台化粧道具の行商をしていたのですが、1904年に三条御幸町下ルで『國枝商店』という店を構えました。当時、舞台化粧道具の商いは京都では広く愛されていて。やがて、京都の中でも一番の繁華街である新京極に店舗を移転するに至りました。
大正初期には口腔衛生が注目され始めたため、初代・國枝茂夫が歯ブラシの商いに力を入れるようになりました。その頃、歯ブラシは『楊枝(ようじ)』と呼ばれており、弊社も『楊枝屋さん』と呼ばれるようになったそうです。