以前もご紹介したとおり、AIが服のデザインをするというものはいくつかありました。ですが実際に衣服に落とし込みコレクションで発表したということはほとんどなかったでしょう。では今回のショーで取り入れられたAI、実際にどう使用されたのでしょうか。 Image Credit : ©JFWO/INFAS.com/Emarie ドレスは主に3パターンから構成。
・AI×アーカイブ
・AI×パターンメイキング
・AI×自然界
鮮やかな色合いのプリントドレスは、過去エマリーエが発表してきたドレスの写真を500枚AIにラーニングさせ、出力された画像を立体的に仕上げたもの。
色の配置やモザイクパターンのプリントはAIで出力してこそのデザイン。デザイナー自身が選んだ生地やデザインを合わせることで、AIと人間、片方のみでは作成できなかったものが生み出せたのでしょう。
モザイクパターンの出力画像とは別に、出力されたデザイン画像を元にドレーピングやフリルが施されたドレス。AIので生み出した画像をソースにさらに細かくデザイナーがデザインを作成、オートクチュールを中心にデザインを行ってきたエマ理永だからこそのドレスと言えるでしょう。
さらに面白い取り組みとして、デザイナーのクリエーションのソースである自然界を元に作られたドレスも。中でも、AIが貝とエマリーエのスカートをラーニングさせ、出力されたデザインは貝をイメージさせるフォルムを残しつつエマ理永らしい斬新なドレスとなっていました。
今回の取り組みにはAIと人間の共生というメッセージが込められています。
AIとデザイナーが共生しクリエイトしていくということ、ニューロインテリジェンスという人間の脳に近い未来の人工知能を創造すること。
実際にファッションと共生するAIと考えてみると、レコメンドシステムなどユーザーや消費者側には馴染みがありますが、デザイナーや業界関係者視点で見るとまだ代表的な実用例は多くないでしょう。
ですが、だんだん私達の生活に溶け込んでいるAI。このコレクションでの取り組みをキッカケに、よりデザイナーやパタンナーなどと共生できるシステムや仕組みの発展に期待していきたいです。