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2022.12.30

「CBD」はサスティナブルを経て、マインドフルネスへ デンマーク発の世界的ブランドが目指す、新しいライフスタイルとは?

成熟したヘンプ(大麻草)の茎や種子から抽出される天然成分CBD(カンナビジオール)を配合したオイルや化粧品の評判がじわじわと広がりつつある中、CBD業界は2023年に大きな転換期を迎える。
その背景にはこの3月に国会に提出される見込みの、医療大麻の解禁などを盛り込んだ大麻取締法の改正法案がある。
 
もともと日本で流通するCBD商品は成分などを調整した合法なものではあるが、医療大麻が前向きに検討されることで、業界によりポジティブなイメージがもたらされ、製品や効能への認知度が高まり市場の活性化が予測される。
 
そんな中「2030年までに、全ての一般家庭にCBD製品を塩やにんにくと同じレベルで流通させる」という大胆なビジョンを掲げる企業がある。デンマーク発の国際的CBDブランド「エンドカ(ENDOCA)」だ。
 
その取り組みについてエンドカの日本子会社であるエンドカジャパンの経営企画部 執行責任者の大久保淳氏にお話をうかがった。

2027年には1000億円市場へ。CBD製品の潜在ニーズとは?

CBDは体内にある身体機能を調節する「エンドカンナビノイドシステム」を活性化させ、“寝ること、食べること、リラックスすること、そして忘れること”をサポートすると言われている。オイルであれば舌下へ垂らし摂取することで、心身をいわゆる「整った状態」に導けるという。
 
「自律神経の乱れや不眠、ちょっとした肌荒れなど『病院に行くまででもない体の不調』を感じる人がコロナ禍を経て増えており、『整った状態』へのニーズが高まっています。また女性のPMSや更年期のケアに取り入れる人も増え、そうした人たちのSNSや口コミでCBDが広がりつつあります」
 
「チル(くつろぐ、まったりする)」文化もあいまって若年層を中心に注目を集めるCBDではあるが、日本全体における認知度は14%ほどだという。今CBDを手に取る人たちはアーリーアダブター(情報に敏感な人たち)にすぎない。
逆に言えば、これから大きな成長の可能性を秘めており、国際的な市場調査会社・ユーロモニターインターナショナルが予測する日本における合法CBDの市場は、2023年には280億円、2027年には1030億円にもなるという[1]
CBDオイルリキッド3%濃度は一度に1〜5滴、15%濃度であれば1〜3滴から始めてみてみるのがおすすめとのこと
CBDオイルリキッド3%濃度は一度に1〜5滴、15%濃度であれば1〜3滴から始めてみてみるのがおすすめとのこと

顧客の7割は女性。エンドカだけの共感できるストーリー

そんなCBD黎明期の日本において、エンドカはすでに独自のポジションを確立している。アーリーアダプターの多くが若年層であるのに対し、エンドカの購入層で一番多いのが40代。続いて30代と50代が同じくらいの割合で続く。さらに特筆したいのが顧客の7割が女性であることだ。
 
どうしてエンドカはミドル世代の女性を引きつけるのか。そのブランドストーリーを紐解いていこう。
 
エンドカは2019年に日本に本格進出。2021年には世界初の旗艦店を鎌倉に設け、2022年2月には伊勢丹新宿店のメンズ館1Fにショップをオープンさせた。
 
生活の質を重視する人が集まる鎌倉、流行の発信基地である伊勢丹新宿店への出店にはそれ相応の商品の品質はもちろん、ブランドへの共感も重要だ。
エンドカ・ショップ鎌倉店。事前予約制でカウンセリングも受け付けている
エンドカ・ショップ鎌倉店。事前予約制でカウンセリングも受け付けている
「エンドカはデンマークの植物化学者であるヘンリー・ヴィンセンティによって設立された世界初の国際的CBDブランドで“From seeds to shelf – 種から店頭まで”をポリシーに徹底した安全管理と最高の品質を担保し、その製造過程では100%オーガニックとサステナブルにこだわっています」
 
同社は医療目的に改良された1000種類以上のヘンプの種(非遺伝子組み換え)を研究目的で貯蔵。毎年適切な種を選び、北欧のオーガニック認定された土地で無農薬で栽培している。
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