第4弾となる今回は、三重県の伝統的な生地「伊勢木綿」に着目。その土地の物語を伝える一足が生まれた背景に迫る。
「SANCHI」が伝える産地の魅力と物語──250年続く伊勢木綿の風合い
「SANCHI」は丸五の定番シューズ「tabiRela」を通して、日本各地の魅力的な生地を、その産地や生産背景と共に紹介していくプロジェクトである。商品だけでなく、日本の各産地で生まれた生地の価値を発信していくことを目的としている。今回の主役である伊勢木綿は、江戸時代から続く伝統的な織物だ。その歴史は古く、「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ」とうたわれた伊勢の国の中心地、津の周辺で生産されてきた。
伊勢木綿に使用する「単糸」製造を担うのは、江戸中期から伊勢木綿を織り続ける
臼井織布株式会社である。伊勢木綿は切れやすく織るのが難しい「単糸」というベーシックな糸をあえて使用し、昔ながらの豊田式力織機で丁寧に織り上げられる。
強く撚りをかけない弱撚糸で作られた生地はしなやかで肌触りがよく、保湿性や通気性にも優れる。使い込むほどに柔らかく味が出て、シワになりにくいのも大きな特徴だ。