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2021.08.23

指先でキャッシュレス、イギリス発スマートリング「EVERING」

買い物のシーンでキャッシュレスが普及するなか、財布やクレジットカード、スマートフォンを取り出すことなく非接触で買い物ができるなど、新型コロナウイルス感染拡大で非接触決済のニーズが高まっている。
そんな状況のなか、キャッシュレス先進国のイギリスで生まれたスマートリング「EVERING(エブリング)」が、2021年5月より日本でも予約販売が開始された。Visaのタッチ決済対応のスマートリングで、今までのキャッシュレス決済のように、デバイスを取り出したり、アプリを立ち上げたり、ロックを解除したりといった動作は必要なく、スピーディかつスムーズな決済体験が可能なアイテムとなっている。今回はサービスの概要や開発の経緯について、「EVERING」取締役COOの津村さんにお話を伺った。

ただひとつの決済体験を提供

日本でも、キャッシュレス決済は急速に普及している。ただ、財布やスマホをカバンから取り出す、QRコード決済であればアプリにログインして立ち上げる、さらにデバイスを使用する場合は充電を気にする必要がある。そういった無駄を排除できる、ただひとつの決済体験を日本に提供したいという想いから、株式会社EVERINGを創業したという。
現在はさまざまなキャッシュレス決済のサービスがあるが、機能を軸に「こういうことができます」というものが多く、UI/UXの面でユーザーのことを考えているサービスは非常に少ないと感じていたという。何かを取り出したりパスワードを入力する手間もなく、シンプルに、スムーズに、スマートに決済できるデバイスを考えたら、現時点ではリングが最適ではないか、という結論になったそう。
そこを軸に、生活スタイルも含めてUI/UXを重視したサービスを提供していくのが「EVERING」の考えだ。指輪は大昔から人々が指につけ、今もなおアクセサリーとして受け入れられており、つけていて最も自然に馴染む存在。指馴染みがよく、スムーズな使用感を多くの方に実感してほしいとのことだ。

引き算のデザイン

「我々にとって、決済機能はあくまで入り口」と話す津村さん。まずは決済にかかる時間やレジでの行列など、生活者が無意識に感じるフラストレーションを解決することに開発のフォーカスを充てたが、今後は決済のみならず、様々な生活シーンでの無駄を省き、より多くの方に手に取ってほしいと考えているという。
また「EVERING」は、引き算のデザインでつくられている。製品のコンセプトと同じく無駄を省き、シンプルを突き詰めた結果が、今のデザインやカラーリングとなっている。見た目だけでなく使い心地もとことん追求し、素材として強いだけでなく、軽くスムーズな使用感はつけていることすら忘れてしまうという。

25時間で予約販売終了

日本での先行販売はすでに開始され、想像以上の反響があったという。5月17日の先行予約販売では3000個の製品を準備したが、わずか25時間で販売終了となった。予約販売で購入した人からは「これは便利そう」「待ち遠しい」などの嬉しい声があがっているという。
今後追加する機能については未定だが、「EVERING」での調査によると、ドアロックの施錠・開錠ができる機能へのニーズが非常に高いという。「多くの荷物を持っている時のドアの開け閉め、鍵をカバンの中から探す時間の無駄など、ここにも生活者が無意識に感じるフラストレーションがあると思うので解決したいと考えています」とコメントをくれた。また、カラーバリエーションとしては年内にホワイトの展開も予定している。
キャッシュレス決済だけでなく、様々なシーンで活用が期待できる「EVERING」。今後、日常生活に欠かせないデバイスとなっていくかもしれない。
#Wearable Device
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