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2020.06.29

サイジングテクノロジー「Fit Analytics」が問う、これからのEC戦略

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年間約1億人以上の消費者が利用している「Fit Finder (フィット・ファインダー)」。当サービスを提供しているのは、ベルリン・シカゴにオフィスを構える「Fit Analytics (フィット・アナリティクス)」だ。現在、当サービスはASOS、 The NorthFace、 Vans、Tommy Hilfiger、ZARA、さらに日本ではUniqloといったグルーバルアパレル企業に取り入れられている。当社は他にも、「Fit Connect (フィット・コネクト)」、 「Fit Source (フィット・ソース)」、 「Fit Intelligence (フィット・インテリジェンス)」といったサービスも展開しており、まさに着用感とサイジングテクノロジーのグローバルリーダーとも言えるだろう。 今回、4月にFit AnalyticsがリリースしたCOVID-19状況下における、「The Impact on Grobal Buyer Behaior(グローバルな購買行動への影響)」のレポートを中心に、当社のコミュニケーション・マネージャーであるNicole Yazolino(ニコール・ヤゾリーノ)に今年度初頭の消費者からバイヤーに至るまでの行動変化の観測結果を伺った。

オムニチャネル対応サイズアドバイザー「Fit Finder」

ECで洋服を購入するとき、サイズ表だけではなかなかそのアイテムのフィット感を掴めない、と感じたことはないだろうか。モデル着用写真では納得が行っていたのに、実際に商品が手元に届き着用してみると、全く異なって見え、場合によっては返品できない、といったケースもあるだろう。Fit Analytics社の提供する「Fit Finder」は、まさにECでの購入時のサイズやフィット感といった悩みを購入時に解消してくれるサービスだ。
Fit Analyticsのサイジングプラットフォームは、世界最大規模の衣料品のデータとそのフィット情報、さらに1,200億ドルを超えるグローバルな売上高を組み合わせ開発されている。顧客の入力されたデータから、さらにその返品情報までをもデータソースとして扱うため、最終的に顧客であるアパレルブランドの利益を向上させる。この膨大とも言える情報を機械学習を適用して実装しているため、消費者からマーケティング、アパレルブランド、さらに製造までのライフサイクル全てを改善する革新的なソリューションであると言えるだろう。
身長・体重・体型タイプを打ち込む
身長・体重・体型タイプを打ち込む
まず買い物客は購入時に、身長・体重・年齢情報に加え、自分の体型のタイプを選択。そこからフィットする推奨アイテムサイズが提示される。さらに同様条件での返品率も提示される仕様となっている。これにより、Fit Analytics側は、毎月10億件を超えるサイジングの推奨事項を買い物客に提供すると共に、各ユーザーのサイズや購入情報・返品情報を収集、事業拡大に伴い1500万以上のアイテムと17,000のブランドのサイズ情報のカバーを可能にしているという。
さらに、レコメンド事項は各ユーザーにパーソナライズされた一つ一つの製品レベルで機能するため、同じボディタイプや好みというカテゴリ分けから他の顧客が購入し返品せず保持し続けたアイテムと買い物客の情報を照らし合わせている。
レコメンドされたサイズ情報(左: Desktop仕様 / 右: スマートフォン仕様)
レコメンドされたサイズ情報(左: Desktop仕様 / 右: スマートフォン仕様)
このサイジングプラットフォームは、顧客となるブランドは瞬時のeコマースの売り上げ向上や改善に取り組むことができ、長期的な戦略顧客の獲得にも繋がり、中長期における顧客の収益の向上を可能にしているという。
さらにFit Finderは現在、実店舗にも取り入れられている。ブラジルのブランドAmaroでは、店舗内に設置されたデバイスでFit Finderの使用が可能になっており、店頭での試着も可能だ。注文したアイテムは、買い物客の自宅やオフィスなどに直接配送される仕組みになっている。これにより、決済は、eコマースショップを通じて行われる一方で、店頭ならではのディスプレイや環境設計に始まり、ユーザーエクスペリエンスを確保する試みも行われているという。
Fit Finder店舗内使用イメージ
Fit Finder店舗内使用イメージ
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