世の健康意識の高まりから、注目を浴びている低周波治療。微弱な電流を用いて関節や筋肉の回復をサポートしてくれるものだ。そして、近年、プロスポーツ選手がケガの治療やコンディション維持に活用して話題となっているのが、ごく微弱な電流を使うマイクロカレントと呼ばれるもの。
そもそもどうして電気刺激は、筋肉疲労や痛みの緩和に役立つのか。そしてマイクロカレントとはどんなもので、従来の電気刺激による治療とは何が違うのだろうか。
人間の細胞は一つひとつが電気を帯びている。そして、外部からの電気的な刺激に対して敏感に反応する性質を持っている。この、人体に備わっている電気的な性質を上手く活用して、血流を促したり、痛みの感覚を和らげようとするのが低周波治療だ。
血流が悪いと体の隅々まで酸素や栄養が行き渡らず、老廃物が蓄積するという悪循環に陥る。低周波治療では、外部から電気刺激を与え、筋肉を縮めたり緩めたり することでポンプ作用を生み、血流を促進させる。結果、老廃物は流され、痛みやコリなどが緩和されるというのが大まかなメカニズムとなる。
また、低周波治療には、痛みの伝達を抑制する効果も期待できる。侵害刺激を伝えるゲートをコントロールして疼痛(とうつう)を軽減させるというもので、ゲートコントロール理論と呼ばれている。