サステナブルアウトレットモールであるSMASELLが運営している古着回収BOXとは、どのようなものなのか。同社の執行役員CMOである藤本 恵子さんに回収BOXサービス立ち上げの背景やSMASELLのサスティナブルな取り組みについて話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
藤本 恵子
株式会社ウィファブリック / 執行役員CMO デジタル業界にてマーケティング・プランニング・ディレクターリーダーとしてデジタルを通した企画提案を行い、多業種に渡るクライアントの課題解決に向けて従事。 その後、現職の株式会社ウィファブリックにてマーケティング兼広報を担い、ブランディングの企画・実行からオウンドメディアやSNS運用、広報活動まで多岐にわたって企業のグロースに向けて取り組む。グロービス経営大学院にて経営学修士号(MBA)取得。
サステナブルアウトレットモール まずは、設立背景について教えてください。 弊社は元々、世界で年間に廃棄されている228億着の衣類を救いたいという思いから創業しました。代表の福屋が繊維業界で働いていたときに、大量の衣服が廃棄されているというニュースを見て、日常の業務で自身も関わっていることに気付き、その深刻な環境問題をなんとかしたいという思いから2015年に起業しました。 当時は世界的にSDGsへの取り組みが始まる前でサスティナブルという概念自体もまだあまり浸透していなかったため、それを意識して起業したわけではありません。しかし、自社だけでは深刻な環境問題を解決できないと感じ、アパレルメーカーと消費者とのマッチングサービスを立ち上げることで、深刻な環境問題についてインパクトのあるメッセージを人々に届けられると考えました。
2017年7月にSMASELLを立ち上げたのですが、その時点では日本でのサスティナブルに対する意識はまだあまり高くなかったと思います。しかし、コロナ禍で多くの人が在宅勤務や外出制限を余儀なくされるなか、オンラインで買い物をする機会が増え、SMASELLの利用者数も増えました。これは多くのオンラインショッ プでも同じことが言えると思います。さらに、コロナ禍を機に消費者側のサスティナブルへの意識も変わっていったように思います。
地球環境への配慮に基づく商品をECサイトで展開するうえで、工夫していることはありますか? 「Cool the Earth PJ(クールジアースプロジェクト)」というプロジェクトではCO2量の削減を可視化し、商品ページにはその商品を買っていただくことでどれぐらいのCO2削減に繋がるかを記載しています。お客さまは自分の購入によってどれぐらいCO2が削減されたか、出品者は廃棄せずに売り切った結果がどれぐらいの焼却処分回避によってCO2発生を防ぐことに繋がったかを個別で確認することができるのです。 このシステムは2020年4月から導入され、累計CO2削減量もサイトのトップで確認することができます。このように定量的に表現することで多くのお客様に廃棄問題を知っていただくことができ、SMASELLのお得に買うことで地球を守るというコンセプトに共感されています。
多くのECサイトがコロナ禍以降、様々な取り組みをされているとは思うのですが、改めてSMASELLの役割や強みだと捉えている部分がありましたら教えてください。 SMASELLのサイトの特徴として、「お得に買って、地球を守る」というコンセプトを実現していること、オンライン上で常にアウトレット感覚で買い物を楽しめること、そしてサステナビリティに本格的に取り組んでいること。さらに、まだ世の中にはないと思われる、オンライン上にアウトレットモールサイトを持っていることも強みだと思っています。
SMASELLを運営するうえで、どんな課題がありましたか? 創業当初、ショップの開拓やブランドの出品採用については、苦戦しながら取り組んできました。当時、サステナブルという言葉が日本ではまだあまり普及していなかったこともあり、SMASELLに出店する=大量に衣類を作っていると誤解されることが不安。という「ブランド価値を守る」理由からでした。 しかし、現在はサステナブルの浸透により消費者の考え方も変わってきており、我々も必要とする人へ最後まで届け切ることに責任を持って取り組んでいます。そのことに共感して出品してくださるブランドも増えてきていますね。
取材& 記事リクエスト
ファッションテック領域で気になる人物、情報、ブランド、アイテムなどはありますか?