光沢感のある素材を使ったシンプルなデザインというコンセプトから1995年に生まれた「エアジョーダン11」。パテントレザーとメッシュのコンビは約30年経った今も圧倒的な人気を誇っている。そんな「エアジョーダン11」のどこにも出ていない誕生秘話や歴史、そしてその魅力を「スニーカーショップSKIT」の代表である鎌本勝茂さんに伺った。
デザイナーは天才ティンカー・ハットフィールド
NBAのシカゴ・ブルズで1度目のリーグ3連覇を達成した、まさに全盛期であった1993年、最愛の父を失い、バスケットボールを続けるモチベーションを失ったマイケル・ジョーダン。野球選手に転身するためにNBAを引退したのだが、1995年にNBAに電撃復帰。その復帰したシーズンの足元を彩っていたのが「エアジョーダン11」だった。巷ではマイケル・ジョーダンの“タキシードにも似合うフォーマルなデザインのシューズ”とのリクエストから「エアジョーダン11」が生まれたとされているが、その裏にあった事実を鎌本さんはこう語る。
「マイケル・ジョーダンがMLBに挑戦中だったこともあり、『エアジョーダン11』はナイキの野球カテゴリーでデザインされていたようです。ここからはネットの記事などにも載っていないのですが、そのシューズが完成し商標登録をしている段階で、マイケル・ジョーダンのNBA電撃復帰が決まったそうで、実はデザイナーのティンカー・ハットフィールドもマイケル・ジョーダンがNBAに復帰する情報を知らなかったとのこと。