「推し」という言葉が広く浸透した今、キャラやアイドルの“推し”をぬいぐるみにした「推しぬい」も、令和カルチャーの一端を担う存在となっている。
ただし、すべての“ぬい”が公式から発売されるわけではない。そんな“ないなら作る”派のオタクたちを支えるのが、平栗あずささんの著書『
てづくり推しぬいBOOK』だ。推しを自分だけの形にできるこの一冊は、初心者向けのバイブルとして大きな反響を呼んだ。
今回は、『てづくり推しぬいBOOK』をはじめ、多くの関連書籍を手がける平栗さんに、進化する“推しぬい”カルチャーの魅力を伺った。
PROFILE|プロフィール

平栗 あずさ(ひらくり あずさ)
ボクトウシシュー合同会社代表
ぬいぐるみのパタンナー・デザイナー
自分の推しと常に一緒にいられる「推しぬい」は、持ち歩くだけで心の支えとなる存在だ。近年は推し文化の拡大とともにその存在感も増し、街中やSNSで見かける機会が急増している。
しかし、人の数だけそれぞれの「推し」がいるように、すべての「ぬい」が公式から発売されているわけではない。そんなオタクを救う一冊となるのが、平栗あずささんの『てづくり推しぬいBOOK』である。
では、この本はどのようにして誕生したのか。平栗さんはこう語る。
「もともとはぬいぐるみのデザイナーとして商品企画などに携わり、その後は個人でパタンナーとして、さまざまな企業からキャラクターやぬいぐるみの型紙制作の依頼を受けるようになりました。