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2023.06.12

ニューヨークの街をつくった男たちのワークウエア「BROOKLYN OVERALL(ブルックリン オーバーオール)」

1900年から1940年代ごろまでニューヨーク、マンハッタンの街は高層ビルの建設ラッシュに沸いていた。「BROOKLYN OVERALL(ブルックリン オーバーオール)」は1904年、そんなニューヨークの街をつくる男たちのワークウエアとして誕生した。
そして時を経て、現代の日本に甦ったBROOKLYN OVERALLについて、株式会社ニコル BROOKLYN OVERALLディレクター 岩井陽佳さんにお話を伺った。
BROOKLYN OVERALLの資料から抜粋した昔のブルックリンの様子
BROOKLYN OVERALLの資料から抜粋した昔のブルックリンの様子

東海岸のBROOKLYN OVERALL中西部のSMITH'S AMERICAN

「サンフランシスコの『Levi's(リーバイス)』、カンザスの『Lee(リー)』、デトロイトの『Carhartt(カーハート)』そしてニューヨークの『BROOKLYN OVERALL』といったように、1900年からの40年間は、アメリカの各地域における名ブランドがニューヨークを中心とした東海岸で支持されていました。
その後、BROOKLYN OVERALLという名前では東のイメージが強いということで、アメリカの中西部や西海岸エリアにワークウエアを売りに出すときに『SMITH'S AMERICAN(スミス・アメリカン)』というブランドを1906年につくり、その名で全米に展開していくことになりました。今の日本でも古着屋さんなどで目にするのはSMITH'S AMERICANが多いのではないでしょうか」
SMITH'S AMERICANの1993年秋冬のカタログ
SMITH'S AMERICANの1993年秋冬のカタログ

ワークブランドからカジュアルブランドへ

BROOKLYN OVERALLは配管、塗装、大工職人から耐久性及び使いやすさが認められ、すぐにニューヨークで1番使用されたワークウエアブランドとして有名になっていったという。そんな1940年代からさらに時間を進めてお話を聞いていこう。
「1960年代に入ると、ロンドンの百貨店『Army&Navy Stores(アーミー・ネイビー・ストア)』でジーンズを買うようになった大学生や10代の若者たちの間で、作業着の着心地のよさや耐久性、カジュアルなスタイルが瞬く間に浸透し、デパートからも作業着の販売を求められ、『ファッション・ワークウエア』の生産販売が開始されるようになっていきます。
そうして1970年代にはBROOKLYN OVERALLの製品は、アメリカの百貨店『Bloomingdale's(ブルーミングデールズ)』、『Saks(サックス)』、『Macy's(メイシーズ)』などで取り扱われるようになり、カジュアルブランドとして親しまれるようになっていきました」
1970年代のものと思われるOneall
1970年代のものと思われるOneall

BROOKLYN OVERALLのREBORN

時期は不明だが、時代の流れとともにニューヨークで展開していたBROOKLYN OVERALLはその活動を終了する。当時のBROOKLYN OVERALL社は社名を変え、現在は3代目のレニー・ボシュナック氏が会社を営んでいる。
そのレニー・ボシュナック氏の会社とパートナーシップをとり、2019年、日本でBROOKLYN OVERALLは生まれ変わり再始動することとなる。ここからは現在のBROOKLYN OVERALLについてお話してもらおう。
「昔のBROOKLYN OVERALLのものをそのまま復刻するのではなく、『モダンワーク』をテーマに、ワークウエアをベースとしながら、トラッド、ミリタリーなどのアメリカンオールドファッションの要素を融合させた、東海岸ならではのオーセンティックなワークウエアブランドとしてリスタートさせました。
ワークウエアとして必要不可欠な機能と絞り込んだシンプルなデザイン、耐久性に優れた素材を生かした動きやすいシルエットなど、普遍的で長く愛用できるデイリーウエアを提案しています」
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