誰にも青春時代において「一生忘れられないお店」が存在するとは思うが、筆者の中で「一生忘れられないお店」で一番に頭に浮かぶのは、やはり文化屋雑貨店だろう。
幸運にも筆者は1990年代に文化屋雑貨店の店舗に訪れ、買い物を楽しめた世代だが、文化屋雑貨店を知らない世代にお店の説明をするのは少々難しい。
「レトロでキッチュでなんだかよくわからないけど楽しいお店」としか説明しようがないのだ。文化屋雑貨店とはなんだったのか−−今回は青春時代に「雑貨」の楽しさを教えてくれたこのお店の魅力について振り返りたい。
開店当初の文化屋雑貨店
文化屋雑貨店は1974年に長谷川義太郎が創業した。
「文化屋雑貨店」の名を耳にすると、90年代の印象が強いかもしれないが、意外にも歴史は長く70年代からのスタートだ。開店当初は、渋谷のファイヤー通りに 店舗を構えていた。当時のファイヤー通りは、倉庫が多い場所だったが抜け道で車を止めやすく、またファッション業界の人々の往来を狙った立地でもあった。裏路地の店舗だったが、戦略どおりファッション業界の人々の目に留まり、開店当初から有名デザイナーやスタイリスト、物販のプロたちの間でたちまち話題になった。