名作である、チャックテイラーやジャックパーセルなどのヘリテージモデルをベースに、クラシカルなルックスやシルエットを踏襲しながらも、高機能な素材を採用するなどヴィンテージを進化させたプロダクトを展開するCONVERSE ADDICT(コンバース アディクト)。その機能や進化の核心に迫る。
2008年10月に立ち上がったCONVERSE ADDICT(コンバース アディクト)。ちょうどコンバース生誕100周年を記念して生まれたハイエンドラインは、脈々と受け継がれてきたアイデンティティを今も継承している。コンバース アディクトのクリエイティブディレクターを務める高瀬美穂さんはこう語る。
「ブランド立ち上げ当時から進化するヴィンテージをコンセプトに掲げています。その意図としては、ヴィンテージシューズの美しいルックスを追求しつつも、完全復刻というよりはデッドストックでは味わえない快適な履き心地をプラスしたプロダクトを提案していくことが第一にあります。キーポイントとしては外観のクラシック感を損なうことなく、機能美を追求することを大事にしていますね」
ブランド名にADDICT(=依存する、中毒)という言葉を添えたのもコンバースに対する“愛”からだという。
「ぶっちゃけてしまうと、自分たちがこのシューズを愛してやまないからなんです(笑)。コンバース アディクトのプロダクトは繊細なディテールの再現を得意としていて、デッドストックを見ながらミリ単位の調整をしたり……。作る側も中毒者じゃないと、なかなかこのディテールの再現はできないと自負しています。またデッドストックのコンバースを愛する方々にいい意味で“中毒”になるほど、気に入ってもらえるモノ作りができればという願いも込められているんです」
ファッションコンシャスな人はもちろん、スニーカーフリークをも唸らすプロダクトは、履いてこそ、その真髄がわかる。実際に履いてみると、その履き心地の良さは格別だ。
ブランドの肝となるモデルは「CHUCK TAYLOR®(チャックテイラー)」だ。
「ブランドの立ち上げで、まず開発したのがチャックテイラーです。ファンも多く、自分も思い入れがあるので、細かいディテールの再現をしっかり実践しました」
60年代のデッドストックをベースにしたというコンバース アディクトのチャックテイラーは、各ディテールで当時のモデルを再現しながらも、履き心地の部分は現代的な要素を加えている。
「オリジナルを踏襲した部分ですが、まずは60年代のヒールラベルですね。デザインはもちろん色味やフォントも再現しています。細かいところですが、オリジナルよりもヒールラベルの位置を5ミリほど上にあげました。あとはサイドの補強ステッチを再現したところもポイント。シューレースもコットン製にしていますし、カラーモデルに関してはかかとのテープを共地ではなく綿テープにするなど、そういった要素も再現しています。
またインソールも60年代のデザインを踏襲し、その色はコンバース アディクトのキーカラーとして、毎シーズンのカタログやリリースレター、シューズボックスなどに採用しています」