2022.09.15

進化するヴィンテージ「CONVERSE ADDICT(コンバース アディクト)」の魅力

名作である、チャックテイラーやジャックパーセルなどのヘリテージモデルをベースに、クラシカルなルックスやシルエットを踏襲しながらも、高機能な素材を採用するなどヴィンテージを進化させたプロダクトを展開するCONVERSE ADDICT(コンバース アディクト)。その機能や進化の核心に迫る。

クラシック感をそのままに機能美を追求するがモットー

 2008年10月に立ち上がったCONVERSE ADDICT(コンバース アディクト)。ちょうどコンバース生誕100周年を記念して生まれたハイエンドラインは、脈々と受け継がれてきたアイデンティティを今も継承している。コンバース アディクトのクリエイティブディレクターを務める高瀬美穂さんはこう語る。
 
「ブランド立ち上げ当時から進化するヴィンテージをコンセプトに掲げています。その意図としては、ヴィンテージシューズの美しいルックスを追求しつつも、完全復刻というよりはデッドストックでは味わえない快適な履き心地をプラスしたプロダクトを提案していくことが第一にあります。キーポイントとしては外観のクラシック感を損なうことなく、機能美を追求することを大事にしていますね」
 
ブランド名にADDICT(=依存する、中毒)という言葉を添えたのもコンバースに対する“愛”からだという。

画像: コンバースジャパンのオフィスの一部には貴重なアーカイブとともにその歴史の過程がディスプレイされる
コンバースジャパンのオフィスの一部には貴重なアーカイブとともにその歴史の過程がディスプレイされる

「ぶっちゃけてしまうと、自分たちがこのシューズを愛してやまないからなんです(笑)。コンバース アディクトのプロダクトは繊細なディテールの再現を得意としていて、デッドストックを見ながらミリ単位の調整をしたり……。作る側も中毒者じゃないと、なかなかこのディテールの再現はできないと自負しています。またデッドストックのコンバースを愛する方々にいい意味で“中毒”になるほど、気に入ってもらえるモノ作りができればという願いも込められているんです」

画像: チャックテイラーがどんな進化を遂げているか、その進化を解剖したデザイン。これを見れば、どこが機能的な部分かが一目でわかる
チャックテイラーがどんな進化を遂げているか、その進化を解剖したデザイン。これを見れば、どこが機能的な部分かが一目でわかる

ファッションコンシャスな人はもちろん、スニーカーフリークをも唸らすプロダクトは、履いてこそ、その真髄がわかる。実際に履いてみると、その履き心地の良さは格別だ。

オリジナルと変わらない部分、そして進化した部分

 ブランドの肝となるモデルは「CHUCK TAYLOR®(チャックテイラー)」だ。
 
「ブランドの立ち上げで、まず開発したのがチャックテイラーです。ファンも多く、自分も思い入れがあるので、細かいディテールの再現をしっかり実践しました」
 
60年代のデッドストックをベースにしたというコンバース アディクトのチャックテイラーは、各ディテールで当時のモデルを再現しながらも、履き心地の部分は現代的な要素を加えている。
 
「オリジナルを踏襲した部分ですが、まずは60年代のヒールラベルですね。デザインはもちろん色味やフォントも再現しています。細かいところですが、オリジナルよりもヒールラベルの位置を5ミリほど上にあげました。あとはサイドの補強ステッチを再現したところもポイント。シューレースもコットン製にしていますし、カラーモデルに関してはかかとのテープを共地ではなく綿テープにするなど、そういった要素も再現しています。

またインソールも60年代のデザインを踏襲し、その色はコンバース アディクトのキーカラーとして、毎シーズンのカタログやリリースレター、シューズボックスなどに採用しています」

画像: 履き心地の面を大きく進化させたのがこのカップインソールの賜物といえる。2022年発夏シーズンに改良を加え、見た目はそのままに快適な履き心地を実現した。ブランドカラーにもなっているピンクベージュのカラーリングも健在
履き心地の面を大きく進化させたのがこのカップインソールの賜物といえる。2022年発夏シーズンに改良を加え、見た目はそのままに快適な履き心地を実現した。ブランドカラーにもなっているピンクベージュのカラーリングも健在

美しいディテールを再現しつつも、デッドストックでは味わえない履き心地にこだわったのがコンバース アディクトのチャックテイラー。高瀬さんはこう続ける。
 
「大きな進化は、やはりインソールですね。当時のインソールは貼り付け式の取り外しができないタイプでしたが、コンバース アディクトでは、取り外し可能なカップインソールになっています。またチャックテイラーの弱点を克服するべく、アウトソールへのヴィブラムソールの導入も見逃せません。そしてアッパーとインナーの間に寒暖の温度調節素材である『アウトラスト®』を採用しました。結果的にアウトラスト®仕様にしたことで、ハリ感が出てキレイな仕上がりになったのは嬉しい誤算でしたね」

画像: 防滑性、耐摩耗性に優れ、全天候に対応する「HIGH PERFORMANCE RUBBER COMPAUND」の「VIBRAM MEGAGRIP」ソールを導入したことが進化に大きく寄与した。
防滑性、耐摩耗性に優れ、全天候に対応する「HIGH PERFORMANCE RUBBER COMPAUND」の「VIBRAM MEGAGRIP」ソールを導入したことが進化に大きく寄与した。

また昔のカタログなどを見ると、当時はアッパーの素材にヘビーなアーミーキャンバスなどを使用していたこともあり、コンバース アディクトでは国産のダックキャンバスを採用するなど耐久性の面でも進化を遂げているのだ。

新作は進化することを続けた結果による現在の最高到達点

 もちろん、チャックテイラーという馴染み深いモデルだけにファンが多いからこそいろいろな悩みも出てくる。
 
「コンバース アディクトを立ち上げた2008年当時は、オリジナルのレプリカというプロダクトが旬だったので、完全再現を望んでいたという声もありました。そこはかなり悩んだ部分ではありましたね。ただそれだけでは、つまらない。だからこそ、機能美を追求する道を選びました。

さらに今年は、2回目のインソールの改良にも取り組みました。パターンや木型を全面刷新したことで、今回からはより自分のサイズ感で履けるように改善。またヒール構造にオリジナルと同様のラバースポンジを採用することで、カップインソールとの2重構造で足入れの心地よさと快適性を実現しています。少し重さは出ましたが、古き良きものは取り入れていこうという姿勢は出せたかなと思います」
 
今年10月や12月に発売される新作にも、そのデザインと機能性の融合は見て取れる。
 
「10月のホリデーコレクションで登場するチャックテイラーは、先ほどいったインソールの改良が行われているので、履き心地の良さが高まったシューズになりましたね。『N.HOOLYWOOD COMPILE(N.ハリウッド コンパイル)』とのコラボモデルは、アッパーがスエードとキャンバス素材のコンビになっており、少し厚めのヒールラベルやトゥキャップ、フリクションテープといったさり気ないアクセントをプラスしています。

さらに12月には韓国出身のデザイナー、Rok Hwang(ロク・ファン)によってスタートした注目ブランド『rokh(ロク)』とのコラボモデルが登場します。ソールが重なったような斬新なデザインで新しい価値観を提案するロクのコンセプトにも通じる1足が完成しました。これから発売なのでチェックして欲しいですね」

画像: アッパーはこれまでと変わらず、国産のシャトル織機で紡いだ風合い豊かなキャンバスを採用した新作のCHUCK TAYLOR® CANVAS HI(左)とCHUCK TAYLOR® CANVAS OX(右)。ともに¥18,700(10月発売)
アッパーはこれまでと変わらず、国産のシャトル織機で紡いだ風合い豊かなキャンバスを採用した新作のCHUCK TAYLOR® CANVAS HI(左)とCHUCK TAYLOR® CANVAS OX(右)。ともに¥18,700(10月発売)
画像: 上質なブラックスエードとキャンバス仕様のタンのコンビネーションデザインはN.HOOLYWOOD COMPILE(N.ハリウッド コンパイル)とのコラボモデル。ソール部分とアッパーの継ぎ目には浸水しないように防止処理が施されている。¥27,500(10月発売)
上質なブラックスエードとキャンバス仕様のタンのコンビネーションデザインはN.HOOLYWOOD COMPILE(N.ハリウッド コンパイル)とのコラボモデル。ソール部分とアッパーの継ぎ目には浸水しないように防止処理が施されている。¥27,500(10月発売)
画像: デザイナー、ロク・ファン氏によって設立されたロンドンを拠点とするインターナショナルブランド、rokh(ロク)。上質なレザーとスエードのコンビにクラシックなソールを二重に重ねたような厚底仕様という斬新なデザイン。¥41,800(12月10日発売)
デザイナー、ロク・ファン氏によって設立されたロンドンを拠点とするインターナショナルブランド、rokh(ロク)。上質なレザーとスエードのコンビにクラシックなソールを二重に重ねたような厚底仕様という斬新なデザイン。¥41,800(12月10日発売)

チャックテイラーはいつの時代も名作映画の主人公や、歴史に名を残すアーティストに履かれてきた。だが“自分らしく”履きこなすことこそブランド側の願いでもある。歩みを続けながら、これからの時代を作っていくコンバース アディクトの今後の進化にも期待していきたい。

PROFILE|プロフィール
高瀬 美穂(たかせ みほ)
高瀬 美穂(たかせ みほ)

1997年、月星化成コンバース企画部にデザイナーとして入社。以後、チャックテイラーのMDやブランドコラボの企画を担当。2006年にコンバースフットウェア設立に伴い、移籍。以降、2008年よりCONVERSE ADDICTなど新規ラインの立ち上げやコラボを企画しながら、クリエイティブディレクターに就任。
 

Text by Yasuyuki Ushijima

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