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2023.10.04

オートクチュールのショーはなぜ必要? 顧客・ビジネス・伝統技術、3つの視点で考察

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こんな洋服、一体誰が着るの? ランウェイを見て、多くの人が抱える疑問のひとつだろう。
ランジェリーがスケスケのドレスや、着ぐるみのように身を包む衣装、豪華なジュエルが散りばめられた煌びやかな洋服。
実際に販売するコマーシャルピースのみでランウェイルックを構成するブランドもあるが、多くのブランド(特にラグジュアリーメゾン)は各シーズンのコンセプトを具現化したショーピースをランウェイで披露し、その世界観を日常に適した洋服に落とし込んで商品を展開するのが通例だ。
ファッション・ウィークは各ブランドのコンセプトを発表する場であって、“この洋服で道を歩けばカッコいい!”と提案しているわけではないということを念頭に置いておこう。ショーで認知度を上げ、最終的には幅広いエンドユーザーに商品を届ける販売促進がざっくりとした目的なのだ。
なんとなくランウェイショーの役割が分かったところで、また別の疑問が浮かび上がる。既製服ではない、オーダーメイドで一点モノの洋服であるオートクチュールは、一体誰に向けて、何の目的で披露されるのか?
絢爛豪華極めるドレスを欲しいと思っても、お店に行って購入できるものではない。クチュール顧客である世界人口の0.001%にあたる超富裕層だけに向けて披露するのであれば、莫大な予算を要する大々的なショーである必要はないはず。
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