トップアーティストのステージ衣装から、テーマパーク、CM、イベントの衣装まで手がける
齋藤ヒロスミさん。日本の歌姫「浜崎あゆみ」や、新進気鋭のアイドルグループ「FRUITS ZIPPER(フルーツジッパー)」の衣装も担当する衣装デザイナーだ。
こだわりの詰まった素材を使い、豊かな発想力で作り上げられる華やかな衣装は、着る人に自信を与え、見る人々を魅了する。アーティストからの支持も厚く、その実力は折り紙つきだ。
齋藤さんは、衣装デザイナーとしてどのように道を切り拓いてきたのか。これまでのあゆみや、仕事の裏側を伺った。
PROFILE|プロフィール
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齋藤 ヒロスミ(さいとう ひろすみ)
東京のクラブカルチャーでパフォーマーとして活躍する中、幼少期から始めた小原流生け花の感性を生かし、独学で衣装製作を開始。浜崎あゆみ、氷川きよし、渡辺直美、蜷川実花監督 映画「xxxHOLiC」「Diner」、日本を代表するテーマパーク、さらには アニメ「ワンピース」のアイスショーや、東京2020パラリンピック競技大会閉会式 衣装統括を担当するなど、幅広く活動。 近年は「情熱大陸」、雑誌「装苑」などで衣装デザイナーとして特集されるなどメディアからも注目されている。
衣装作りが人生の転機に
子どもの頃から、変わったものや派手なファッションが好きだったという齋藤ヒロスミさん。高校生の頃には、原宿系や海外のアンダーグラウンドファッションに強く関 心を持つようになる。大学進学を機に都内に住むようになった頃から、クラブに頻繁に出入りするようになった。その理由を、「年齢も役職も異なるさまざまなクリエイターがいて面白かったから」と齋藤さんは話す。
「人見知りな私にとって、派手な服装はコミュニケーションツールのひとつでした。言葉で自分の思いを伝えられなかったとしても、クラブでは独特なファッションをしているだけでセンスに共感してもらえたり、『面白い服だね』と話しかけたりしてもらえたんです。そんな環境に、居心地のよさを感じていました」