その「黄色いショッパー」がとても人気のあるブランドのものだと知ったのは、筆者が中学に入学した頃ぐらいだろうか。ファッションに興味を持ち始めた当時、憧れの先輩やクラスにいるオシャレで垢抜けた子が、その「黄色いショッパー」を誇らしげに肩にかけていたのをよく覚えている。
ちょっと過激でビビッドな印象がある「HYSTERIC GLAMOUR(ヒステリックグラマー)」の服は、とても価値が高く手に入れたら自慢できるものと知るのに、そう時間はかからなかった。
筆者はちょうど90年代後半のHYSTERIC GLAMOURの全盛期に青春時代を過ごしたが、このブランドに対する「憧れ」と「人気」は、同世代ならば説明不要といってもいいぐらいだろう。
それは次世代にも受け継がれ、令和に入って再び盛り上がりを見せている。今回は、Z世代からも絶大な支持を得ているHYSTERIC GLAMOURの魅力に迫りたい。
デザイナー北村信彦の誕生
HYSTERIC GLAMOURは、1984年にスタートしたブランドだ。ブランドを展開する会社を調べると、「株式会社 オゾンコミュニティ」のワードが目につくだろう。現在、同社が運営しているのはHYSTERIC GLAMOURのみだが、かつては「OZON COMMUNITY(オゾンコミュニティ)」というブランドがあった。HYSTERIC GLAMOURの本題に入る前に、まずはOZON COMMUNITYというブランドの説明をしたい。