気になるシミや汚れがついてしまいこんでしまった服、または捨ててしまう服、それらがもう一度着られるようになる可能性はないだろうか。
今回、同社の4代目社長・荒川 徹さんにインタビューを実施。伝統技術を守り、現代に合わせて進化する染屋の在り方について話を聞いた。
伝統産業を継承へ
貴社の創業背景や経緯について教えてください。
1915年の創業以来100年以上、黒色専門の染屋として、“より黒く、美しく、色落ちしない黒”を追求してきました。紋付とは京都の黒色専門の染め工場で染められている黒い着物です。着物の第一礼装として位置づけられており、黒く染められた生地に家紋が5つ描かれています。染めることが非常に難しいシルクの紋付を長年染め上げてきた技術を生かし、綿、麻、ウールなどの天然繊維にも深黒加工という独自の技術を用い、これまでの洋装にはない、深い色合いの黒染めを実現しています。