今年7月26日に開幕するパリ・オリンピック開会式で、フランス代表選手団が着るオフィシャルユニフォームがベルルッティに決まった。イタリア人靴職人アレッサンドロ・ベルルッティが1895年にパリで創業したフランスの高級紳士靴ブランドである。
史上初となるスタジアム外での開会式、そしてセーヌ川を使った船のパレードにおいて、フランス代表選手団をきらびやかに飾るはずだ。
ファッションとスポーツは、現代においては切っても切れない間柄だが、2つの事柄を比べてみると、異なる世界にあるように思える。
一方はエレガンスで、一方はパフォーマンスを求める。しかし両者は、現在に至るまで互いに影響し合ってきた。
19世紀に生まれたスポーツという概念
特別展の入り口をくぐると、まず古代ギリシャの壺絵に描かれたたくましい体の男性像が出迎えてくれる。スポーツが、まだ今のような「スポーツ」ではなかった時代だ。