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2022.03.09

日本のカルチャーを世界へ:メタトーキョー

メタバース上のグローバル文化都市「メタトーキョー」。アソビシステム株式会社、ParadeAll株式会社、Fracton Ventures株式会社の3社が合同で立ち上げたプロジェクトであり、先日法人化され「MetaTokyo株式会社」となった。国内外のクリエイター、パートナー企業と共有し、次世代メタバース等を通じて事業展開を行っている。
コラボレーション第1弾では、日本初となるジェネラティブアートにフォーカスをしたポップアップミュージアムを建設、日本最大級のNFTアートを展示するプロジェクトを行い話題となった。そして第2弾では、雑誌「FRUiTS」とのコラボレーションを発表。1997年の創刊号に掲載されたストリートスナップを、アート特化の海外大手NFTマーケットプレイス「Foundation」にてオークション販売した。今回、メタトーキョーの概要やコラボレーションの背景について、Fracton Ventures株式会社の鈴木 雄大さんとFRUiTS創業者である青木 正一さんにインタビューで聞いていく。

所有を超えた体験を提供する仕組みの設計

まず、メタトーキョーの概要について教えてください。
鈴木簡単にいうと、NFTを活用したオープンメタバース上の文化都市です。グローバルで新たなカルチャー、エンタメの流通を拡張しているNFTとその技術基盤であるブロックチェーン、そして新たな社会の在り方を実現するWeb 3.0ムーブメントと文化、都市を結びつける世界初のプロジェクトとなります。
メタトーキョーでは言語や性別、年代問わず普及できるようなコンテンツを中心に、オーセンティックな日本のカルチャーを海外に広げていくプロジェクトを目指しています。メタバースのなかにも様々なものがありますが、「Decentraland」と呼ばれるブロックチェーンベースのメタバースのプラットフォームがあり、この上に建物を建てるプロジェクトをやっています。ただし、ここだけにこだわっていくつもりはなく、将来的には色々なものにメタトーキョーを応用していけたらと考えています。
3社合同で行うことになった背景を教えてください。
鈴木NFTが世界で話題になっていたこともあり、2021年の春頃にアソビシステムさんとNFTのお話をしていたことが背景にあります。アソビシステムさんはきゃりーぱみゅぱみゅさんや中田ヤスタカさんなどのアーティストが所属する事務所であり、コンテンツも強いため多方面からもNFTの話がきていたようですが、ParadeAll株式会社の鈴木貴歩さんと「NFTだけでなく、その先を見据えて僕らと一緒にやってみましょう」とお誘いしました。始めはプロジェクトとしてポップアップミュージアムなどの取り組みを行っていたのですが、それを経て現在はジョイントベンチャーという形で3社と創設した形になります。
NFTを活用したり、TOKYO発のグローバル・クリエイター・エコノミーをWeb3.0で実現するなどメタバースビジネスの先駆者的な存在だと思いますが、どのようなところが軸となっていますか。
鈴木我々は「オープンメタバースにカルチャーとエンターテイメントを創出するリーディング企業」をミッションに掲げています。昨今メタバースという言葉が普及してきていますが、実はそのメタバースの作り方や思考性には色があるんじゃないかと捉えているのがメタトーキョーの考え方です。
参照:Outlier Ventures「Research:Are there competing visions for the Metaverse?」より
参照:Outlier Ventures「Research:Are there competing visions for the Metaverse?」より
鈴木Web3.0支援機関である、Outlier Venturesが発表している資料で縦軸のHi-ifi、Lo-fiは主にビジュアライズのスタイルの違いを表しています。肝心なのが横軸のOpen、Closedだと考えていて、左側には「Minecraft」や「Fortnite」はブロックチェーンにネイティブではないという位置づけです。たとえばユーザー主体で行った企画が、「Fortnite」が公式に企画したイベントを上回るというのはあまり考えづらいと思います。それに対して右側にある「Decentraland」は民主的な運営であり、さまざまなユーザーによるイベントが常時行われています。これはある種、街のイベントに近いと思っています。街を歩いたら、色々なところでイベントをしている現実世界での体験にとても近い。そのような形でコミュニティがあるスタイルが非常にいいと僕らは考えています。
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