Mountain Down Jacketを紐解くにはまずMountain Jacket(マウンテン ジャケット)の話にさかのぼるようだ。Mountain Jacket誕生からMountain Down Jacketへどう進んでいったのかをお話しいただこう。
「THE NORTH FACEの創業から現在までは、1960年代後半~1980年代と1980年代後半~2000年代、そして、それ以降~現在の3つのセクションに分けられると考えています。その1980年代後半~2000年代が、8,000m級の登山やいわゆるアルパイン・クライミングに対応したウエアをリリースしはじめ、テクノロジーとしても非常に発達した時期でした。Mountain Down JacketのもととなったMountain Jacketは、1985年に誕生した8,000m級の登山に対応するために作られた、山岳用の防水シェルになります。
大きな特徴としてはタスランナイロンという素材を使った2層のGORE-TEX素材を採用していることですが、その他にも、肘や肩が切り替えになっているデザインが、今ではTHE NORTH FACEのアイコニックなものになっています。なぜこのデザインになったのかがポイントで、バックパックが擦れる肩、クライミング中に擦れる肘を摩耗に強いCORDURA NYLON(コーデュラ ナイロン)で補強しているからなのです。
1985年当時のCORDURA NYLONは黒しかなく、この黒で切り替えしたというのが後々THE NORTH FACEのデザイン的なアイコンとして継承されることになっていきます」
レイヤリングを科学するエクスペディションシステム
Mountain Down Jacketのルーツを知るにはもうひとつ、Mountain Jacketのエクスペディションシステムというものを知ってもらいたい。これについても引き続き伺っていこう。