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2023.11.24

「THE NORTH FACE」ハイスペックモデル「Mountain Down Jacket」とブランドのルーツが感じられる「CAMP Sierra」の歴史を紐解く

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」のダウンジャケットというと種類も多く、名品と呼ばれるモデルがいくつも存在する。8,000m級の登山用に作られたものから、冬の日常生活を快適にしてくれるものまで用途もさまざまだ。
今回は株式会社ゴールドウイン ザ・ノース・フェイス ライフスタイルグループMD 飯島和宏さんに冬のアウトドアやタウンユースにおすすめの「Mountain Down Jacket(マウンテン ダウン ジャケット)」とTHE NORTH FACEのルーツが感じられる「CAMP Sierra(キャンプ シエラ)」がどうやって誕生し、今に至るのかを伺った。

Mountain Jacketを知るとMountain Down Jacketがわかる

Mountain Down Jacketを紐解くにはまずMountain Jacket(マウンテン ジャケット)の話にさかのぼるようだ。Mountain Jacket誕生からMountain Down Jacketへどう進んでいったのかをお話しいただこう。
「THE NORTH FACEの創業から現在までは、1960年代後半~1980年代と1980年代後半~2000年代、そして、それ以降~現在の3つのセクションに分けられると考えています。その1980年代後半~2000年代が、8,000m級の登山やいわゆるアルパイン・クライミングに対応したウエアをリリースしはじめ、テクノロジーとしても非常に発達した時期でした。Mountain Down JacketのもととなったMountain Jacketは、1985年に誕生した8,000m級の登山に対応するために作られた、山岳用の防水シェルになります。
大きな特徴としてはタスランナイロンという素材を使った2層のGORE-TEX素材を採用していることですが、その他にも、肘や肩が切り替えになっているデザインが、今ではTHE NORTH FACEのアイコニックなものになっています。なぜこのデザインになったのかがポイントで、バックパックが擦れる肩、クライミング中に擦れる肘を摩耗に強いCORDURA NYLON(コーデュラ ナイロン)で補強しているからなのです。
1985年当時のCORDURA NYLONは黒しかなく、この黒で切り替えしたというのが後々THE NORTH FACEのデザイン的なアイコンとして継承されることになっていきます」
1985年に発売したMountain Jacketこちらはフード取り外しが可能な派生タイプ
1985年に発売したMountain Jacketこちらはフード取り外しが可能な派生タイプ

レイヤリングを科学するエクスペディションシステム

Mountain Down Jacketのルーツを知るにはもうひとつ、Mountain Jacketのエクスペディションシステムというものを知ってもらいたい。これについても引き続き伺っていこう。
「エクスペディションシステムというのはレイヤリングのことで、たとえば8,000m級の登山をするときに『いかに快適に登山ができるか』ということを、いろいろな商品の組み合わせで実現していくというものです。なかでも“ジップインジップ”という仕様は、製品の内側にジップがついており、対象のフリースジャケットやダウンジャケットなどが連結でき、登る山や季節に合わせて装備を変えることができるようになっています。
『レイヤリングを科学する』と私たちは呼んでいて、そこから商品開発を進め、みなさんもよく知る『Nuptse Jacket(ヌプシ ジャケット)』なども発売されていき、エクスペディションシステムのアイテムが広がっていきました。このMountain Jacketも2000年以降、デザインがどんどんアップデートされて現在に至っています」
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