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2023.12.27

ブランドを代表する35周年を迎えた名品番 ! ニューバランス「996」が積み上げてきた歴史と進化とは

オンロードランニング用に開発された900番台の3代目として1988年に誕生したニューバランス「996」。今年35周年を迎えた名器は、クラシックな顔ながら、履き心地も快適なロングセラーだ。今回はアニバーサリーイヤーを迎えた「996」の進化の歴史とニューバランスが「996」に託す思いを、本記事でもおなじみのスニーカーシーンのキーマンであるミタスニーカーズのクリエイティブディレクター国井栄之さんに伺った。

日本で初めて900番台として認知された「996」

“1000点満点中990点の仕上がり”という謳い文句とともに1982年に登場した、990番台の先駆けであるオンロードランニングモデル「990」。その後継モデルとして1986年に登場した「995」に続き、1988年に発売されたのが「996」だ。国井さんは「996」の思い出をこう語る。
上質なピッグスキンスエードとメッシュアッパーの組み合わせは、オリジナルの「M996」のデザインを踏襲したアメリカ製の「U996」。定番カラーのグレーとともに人気のネイビーカラー。35,200円(税込)
上質なピッグスキンスエードとメッシュアッパーの組み合わせは、オリジナルの「M996」のデザインを踏襲したアメリカ製の「U996」。定番カラーのグレーとともに人気のネイビーカラー。35,200円(税込)
「当時の最先端のテクノロジーである“ENCAP(エンキャップ)”と“C-CAP(シーキャップ)”の組み合わせをもとに、普遍的な完成されたデザインで登場し、愛好家が多い『996』。
今では『990』も“v6”までリリースされたバージョンモデルが登場し、そちらがもてはやされていますけど、『996』は90年代のアメカジブームに乗り、日本で初めて900番台として認知されたシューズというイメージがありますね」
「996」が登場するまでは、やはり「576」の認知度が高く、その次に支持を得ていたのが1000番台だったそう。
シュータン部分に刻まれた“Made in U.S.A.”が当時はステータスでもあった
シュータン部分に刻まれた“Made in U.S.A.”が当時はステータスでもあった
「日本人は、アウターでも何でも一番ハイエンドなものを求める傾向にあるので、『1300』に代表される1000番台が人気でした。その1000番台の次に人気が出たのが500番台だったのです。実は『576』と『996』が発売された年代が一緒で、『576』はボテっとしたフォルムでしたが『996』はSL-1といわれるラストを採用していて『576』よりもシュッとした細身のフォルムで、ユーザーの好みが分かれたんですよ。
『576』などの品番ではニューバランスでグレーなどの定番カラーが出た後に、海外のスポーツチェーンストアである『フットロッカー』で専売カラーが発売される事が多く、 『996』もそれに倣って、黒×金が発売され、スニーカーフリークの間で話題になっていました」
とにもかくにも、国井さんの中での「996」のイメージは、900番台で初めて日本に定着した品番だったようだ。

時代を鑑み、最適にチューニングされた「996」は進化を続ける

それまでのアメリカ製からアジア製の「CM996」が発売されたり、驚異的な軽さを誇るソールユニット「REVLITE(レブライト)」が搭載された「MRL996」が登場したりするなど、常に進化を遂げてきた「996」。
国井さんの中でも「996」は、アメリカ製よりアジア製の方に思い入れがあるようだ。
900番台としては3番目に登場した「996」。SL-1というラストを採用したことで、「576」よりもややスリムなフォルム。スラックスなどと相性が良かった。35,200円(税込)
900番台としては3番目に登場した「996」。SL-1というラストを採用したことで、「576」よりもややスリムなフォルム。スラックスなどと相性が良かった。35,200円(税込)
「アメリカ製の『996』も『ミタスニーカーズ』に入社してから買って履きました。当時、アジア製は廉価版といわれていましたが、自分の中で『REVLITE』を搭載した『996』を見たとき、これこそ逆にアジア製じゃないとできないことだと感じました。
ニューバランスがスポーツの分野で培ったテクノロジーを流用し、見た目はクラシックなままに履き心地はモダナイズしていく進化を見て、さらに『996』の魅力が増しましたね。そのとき、スポーツブランド、ニューバランスとしての矜持を感じることができて、改めて自分の中でアジア製の『996』を履く意義を見出せたと思います」
サイドの「N」マークもシャープな雰囲気を倍増させる
サイドの「N」マークもシャープな雰囲気を倍増させる
2023年で35周年を迎えた「996」。それを記念し、ニューバランスとグローバルパートナーシップを結んでいる“M.Lab(ミムラボ)”の職人がハンドメイドで手掛けた日本製の「M996JP」も登場している。
こちらも7万円台という価格帯にもかかわらず、事前抽選で即完売したとのこと。「996」はユーザーにとってもニューバランスにとっても特別な存在なのだ。
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