日本の伝統芸能の1つである香道。その世界を楽しむための入り口として、お香は手軽に扱えるものだ。昨今、リモートワークによる疲れを癒やすための気分転換としても、お香が使用されている。しかし、お香を本格的に知りたいとなったときには、専門性が高く、戸惑ってしまう人も多いのではないだろうか。
そこで今回、200年以上続く京都の香舗の系譜を引き継ぎ、お香のサブスクリプションサービスOKO LIFEも運営している、香雅堂の代表である山田悠介さんにインタビューを行った。いまの香道やお香を取り巻く状況、お香の世界の楽しみ方についてお聞きした。 PROFILE|プロフィール
山田悠介
1986年生まれ、慶應義塾大学経済学部卒業。大学在学中より香雅堂で仕事を1から学び、卒業後はIT系企業に就職する。2011年に香雅堂に入社。香道志野流・茶道表千家の門弟。村上春樹さんを尊敬し、テニスをプレイ&観戦することが1番の愉しみ。
お香を身近なものに
最初に香雅堂の概要について教えて下さい。
香雅堂は東京都港区麻布にあるお香のお店です。1階が店舗になっていて、香道で使用するお道具や、香りを鑑賞する香木の販売をしています。スティックタイプのお香や香袋など、暮らしのなかで使いやすいお香も扱っております。これまで化粧品ブランドSUQQUの香りを監修して話題になるなど、さまざまな企業とコラボレーションをされていらっしゃると思いますが、その経緯や思いをお聞かせください。
僕が香雅堂を始めたのは10年ぐらい前なのですが、この2、30年で「香木」という資源がまったくと言っていいほど採れなくなってきたというのが、大き なきっかけとしてあります。