Fashion Tech News Symbol
お気に入り閲覧履歴
/
NEW マイページ機能追加
お気に入りと閲覧履歴の機能が追加されました!
会員登録すると、さらに便利に利用できます。
2024.09.05

スーツケースに込めた日本の心:プロテカ(PROTECA)、20年の挑戦と進化

リンクをコピーしました
日本製のトラベルバッグブランド「プロテカ(PROTECA)」が、今年でブランド誕生20周年を迎えた。
プロテカはスーツケースの国内生産60年の実績を持つ、バッグとラゲージの総合メーカー・エース株式会社を代表するトラベルバッグブランドだ。世界最高レベルの高品質を維持しつつ、日本ならではの豊かな感性から新しい商品と信頼を生み出すことを重視している。これまで、安心・安全という価値を提供し続けてきた。
ブランド誕生から20年、プロテカがどのように進化し、時代とともに歩んできたのか。同社のPRを務める森川さんに取材した。
PROFILE|プロフィール
森川 泉(もりかわいずみ)

エース株式会社
マーケティング部 PR・広報 マネージャー

日本の職人ならではの高度な技術と品質管理

まずは、プロテカブランドが誕生した背景を教えていただけますか?
エース株式会社は1960年に海外ラゲージブランドとの技術提携を締結し、1964年に日本で初めてスーツケースの国内生産を開始。長年、海外ラゲージブランドのライセンス商品を日本国内で製造・販売して参りました。
そして、日本でスーツケースを製造開始し始めてから40年を迎えた2004年。エース製スーツケースで海外展開に乗り出すため、海外ラゲージブランドとのライセンス契約を解消し、培ってきた技術の集大成としてトラベルバッグブランド「プロテカ」をデビューさせました。
ネーミングの由来は Protect(守る) 、Technology(技術) 、ACE (エースの理念)。高度な技術を維持しながらデザインを進化させ続け、世界中の人々から愛されるラゲージの創造を目指し、“究極のラゲージ”を追求すべく、世界に向けてプロテカブランドを発信して参りました。
日本製スーツケースの強みや特徴について、お聞かせください。
日本製のスーツケースの強みは、日本の職人ならではの繊細で高度な技術と徹底した品質管理が上げられます。60年にわたり培ってきた、エースの技術とノウハウが集約された生産拠点・北海道の赤平工場ではスーツケースの組み立て1ラインに携わる職人は8名程度と、海外工場の20~30名と比較すると少数先鋭で組み立てています。
海外工場では各工程を細分化し、1人あたりの作業を簡略化することで流れ作業的に生産効率を上げ、大量生産できる体制を採用しています。
これに対し赤平工場では、1人が複数工程を担い、前後の工程も把握しながら自主検品しているため、品質向上につながっています。
また、エース品質管理研究所において徹底した品質管理テストを開発段階や抽出検品で実施しています。海外工場と比較すると生産効率は劣りますが、店頭クレームは販売数に対し0.1%以下と圧倒的に低い不良率を維持しています。 
一般的なスーツケースの内装生地はミシンで縫い付けるだけですが、プロテカではクッション製のあるウレタン生地を手貼りして仕上げる製品も多く、素早く美しく貼り付けるには高い技術を要し、技術習得には約3年を要します。
手貼り内装は赤平工場ならではの特徴であり、海外製との大きな違いです。
また、スーツケースのフレームは一般的にアルミニウムが使われますが、プロテカではレーシングカーのホイールにも使われる軽量硬質なマグネシウム合金を採用しています。アルミニウムに比べ強度が高く軽量で、常温では変形しにくいという特徴があります。
組立工程の最後に職人が経験と知識を基に専用のハンマー・工具を用いて錠前の取り付け位置、フレームの隙間やズレ等を修正するのですが、このような細部にこそ、日本製ならではの実力が発揮されます。
強く叩いてもフレームに跡が残らないのは、マグネシウム合金の強度の高さによるものです。一般的なアルミニウムフレームの場合はフレームを修正するのではなく、錠前部分を調整してスーツケースの開閉をスムーズにしています。そのため、フレームに歪みがあると、錠前がスムーズに閉まりません。海外製のスーツケースはフレームの歪みを直さずに、錠前を調整して閉まるようにしているのです。
1 / 2 ページ
この記事をシェアする
リンクをコピーしました
CONTACTお問い合わせフォーム
ご質問やご要望がございましたら、以下のフォームに詳細をご記入ください。
お問い合わせ項目必須