昭和前期の女性服の移り変わりを展示する特別企画展「
時代をまとう女性たち」が東京・九段南の
昭和館で開催されている(期間は3月11日から5月7日まで)。
同展は、戦中・戦後の女性服が和装から洋装へ、家庭裁縫から既製服へと変遷していったさまを、時代背景とともに紹介した展示となっている。
そこで、同展を企画担当した昭和館の学芸部 髙橋彩華さんに、今回の展示が企画された経緯から、展示の魅力、戦中・戦後における女性たちの衣服と時代背景との関わりなどについて聞いた。
戦中・戦後の女性服に注目した理由
昭和館は、主に戦没者遺族をはじめとする国民が経験した戦中・戦後(昭和10年頃から昭和30年頃まで)の国民生活について伝えるために、資料を収集、保存、展示している施設だ。今回、本展はどのような経緯で企画されたのだろうか。「当館は常設展と併せて、毎年、春と夏に企画展を行っています。ポスターや紙芝居など特定のテーマを設けて、『戦中・戦後の労苦』を後世に伝えることが目的です。
そのなかで、これまでの企画展を振り返ったときに、服装の変遷に焦点をあてた展示がありませんでした。
そこで一度、戦中・戦後の服装を調査してみたところ、特に女性は求められる役割が変わっていくなかで、服装も大きく変わっていった事実が興味深いと感じました。そこで、女性に焦点を当てた企画展を考えました。