令和はファッションだけではなく、音楽のMVでも「Y2Kブーム」が広がっている時代だ。
第4次韓流ブームとも言われているくらいにK-POPの勢いは止まる所を知らないが、K-POPアイドルのMVも常に話題になっている。ここ最近ではNewJeansの登場もそのひとつだ。
彼女たちのハイレベルな歌やダンスも評判が高いが、2017年辺りからはBLACKPINKやTWICEがMVで1990年代〜2000年頃の流行をミックスしたスタイルで歌う姿も注目の的となっている。各所でK-POPアイドルが着こなすY2Kスタイルは毎回話題になるが、なかでも異彩を放っているのがこのNewJeansだ。
NewJeansに関しては、「Y2K」というワードだけではなく、「SPEED」のワードもセットでよく見かける。何故、NewJeansはSPEEDを彷彿とさせるのか?
筆者と同様に90年代後半に青春時代を過ごした者なら、SPEEDの人気はよく知っていると思うが、世代によってはSPEEDを知らない人も多いだろう。
そこで今回はSPEEDを軸に、若い世代の興味を惹きつけた彼女たちの90年代のファッションに迫りたい。
90年代のティーンの憧れだったSPEED
SPEEDは1996年に沖縄アクターズスクールからデビューしたダンス&ボーカルグループだ。90年代の音楽シーンは沖縄アクターズスクール出身のアーティストが目立っていた時代だ。安室奈美恵に始まり、MAXやDA PUMP、三浦大地など現在でも活躍している沖縄アクターズスクール出身のアーティストは多いが、その中でもSPEEDは、平均年齢が13.5歳の小・中学生であったこともあり、当時は大きな注目を集めた。
SPEEDのメンバーは島袋寛子、今井絵理子、上原多香子、新垣仁絵の4人で結成され、96年にシングル『Body&Soul』でメジャーデビューを果たす。
SPEEDのデビューした96年は、安室奈美恵が社会現象を巻き起こすまでに時代を牽引しており、続いて同スクール出身のMAXも女子高生や若い世代を中心に人気だった。
先にデビューしたアーティストたちと比べると、SPEEDは平均年齢が低いのもあり、当初は「アイドル」という枠に収められがちだったが、彼女たちのハイレベルなパフォーマンスと歌声は確実にリスナーの心を奪っていった。
音楽プロデューサーに伊秩弘将を据え、デビュー曲の『Body&Soul』は60万枚を超えるセールスを記録。セカンドシングル『STEADY』は初のミリオンセラーを記録し、年末の「第38回日本レコード大賞」では『Body & Soul』で新人賞を獲得した。
特に同年にリリースされた『STEADY』に関しては、テレビ朝日系ドラマ『イタズラなKISS』の主題歌にも起用され、思い入れのある読者も多いのではないだろうか。
その後もCM、ラジオ、ドラマと立て続けに出演し、SPEEDの快進撃は止まることがなかった。惜しくも、2000年の3月をもっていったん解散してしまったが、僅か4年の活動期間の中で、SPEEDの存在がいつまでも私たちの「青春」として心に残っているのは、時代の龍児として彼女たちが活躍した証しでもあるからだろう。
NewJeansとSPEEDの共通点とは?
令和に入り、「Y2K」というワードはK-POPアイドルとともに日々見かけるようになった。数々のK-POPアイドルがY2Kファッションを着こなすなか、異彩を放っているのがNewJeansだ。NewJeansに関しては、「Y2K」というワードに付随して「SPEED」のワードもよく見かける。90年代の日本でも多くのアーティストが活躍したが、何故ピンポイントで「SPEED」の名前が挙がるのか? そこには意外な共通点があった。