2021.05.14

キャロル・コレット「領域横断のデザインが可能にする、惑星規模の変化」

#特集001「生命の循環:装いの歴史と未来」
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ファッションレーベルwrittenafterwardsのデザイナーであり、ファッションを学ぶ場「ここのがっこう」の主宰でもある山縣良和氏とお送りする特集企画「生命の循環:装いの歴史と未来」。今回は、1990年代よりサステナブル・デザイン、バイオ・デザインとテキスタイル・デザインを架橋した研究の第一人者として、領域を牽引してきたキャロル・コレット氏をお迎えします。

テキスタイルのデザイン方法に疑問を持ち、現在ではファッション・デザインの垣根を超えて、デザインそのものについて包括的に検討しているコレット氏の考える、変化についてお聞きしました。

PROFILE|プロフィール
Carole Collet(キャロル・コレット)
Carole Collet(キャロル・コレット)

イギリス・ロンドン拠点のデザイナー/研究者。現在、Central Saint Martins(セントラル・セイント・マーチンズ、以下CSM)の持続的未来開発デザイン領域・教授。またCSM / LVMHのRegenerative Luxuaryのクリエイティブ・プラットフォームMaison/0(メゾン・ゼロ)ディレクター、CSMのLiving & Systems Lab(リビング・システムズ・ラボ)リサーチグループの共同ディレクターを務める。

サムネイル:「Mycelium Textiles」(Carole Collet, 2019)

テキスタイル・デザイナーであり、エコロジストでもあることは可能か

テキスタイル・デザインへの情熱と環境負荷への懸念

私がバイオミミクリーやバイオロジーの原理をテキスタイル・デザインに取り入れる方法を積極的に研究し始めたのは2007年のことでした。それ以前は、サステナブル・テキスタイルの開発を目指し、原料の調達方法、リサイクル素材、染料の種類などを検討していました。1980年代後半に、パリの大学でテキスタイルについて学んでいた時、テクノロジーの講義で、テキスタイルがどのように大量生産され、それがどれほど有害なプロセスに依存しているのかを学びました。それまでの私は、繊維産業とその環境への影響を結びつけられていなかったのですが、講義を受け、このように汚染された産業には関わりたくないと思ったことを今でも覚えています。つまり、私がサステナビリティに興味を持ったのは、私がエコロジストだったということです。

それがはっきりしたとき、エコロジストとテキスタイルデザイナーが両立できるのかを確かめるために、1991年にCSMの修士課程へ進学しました。言い換えれば、産業を維持するために自然界に悪影響を与える有害なマテリアルを開発することにならないように、そして同時にデザインへの情熱を持ち続けるにはどうしたらよいのかを考えていたのです。

画像: 「Self-patterning Mycelium Rubber made with waste coffee ground and a mycelium culture」(Carole Collet, 2016)
「Self-patterning Mycelium Rubber made with waste coffee ground and a mycelium culture」(Carole Collet, 2016)

すでに90年代初頭には、繊維産業とその環境への影響については、かなりの数の研究結果やレポートが発表されていました。しかし、それが広く議論されることはありませんでした。当時私が話をした人の多くは、何が問題なのかをきちんと理解しておらず、天然素材や天然染料に代替することで解決すると考えていました。

しかし実際には、コットンは私たちが使用している繊維の中で、環境への負担がとても大きいもののひとつです。その理由は、従来のコットンの栽培方法は、信じられないほど大量の有害な農薬や除草剤を使用しているからです。天然繊維であるにも関わらず、その栽培方法が環境に悪影響を与えているのです。また、天然染料では、伝統的なレシピのほとんどが媒染剤として重金属を使用しています。媒染剤は、染料を天然繊維に浸透させる働きがあります。しかし、私はかなり早い段階から、「ナチュラル=エコロジー」ではないと気づき、どうすればそれを超えられるのかを考えていました。

生物学者と協働すること、バイオミミクリーとの出会い

1997年にエコロジストのJanine Benyus(ジャニン・ベニュス)が「Biomimicry(バイオミミクリー)」について話しているのを聞きました。彼女のバイオミミクリーについての本は、私にとって大きな影響を与えました。そして、この本を読んでから、「生物学から何を学ぶことができるのか」、「この方法をデザインプロセスに持ち込むにはどうしたらいいのか」ということを考えたいと思いました。

実はべニュスは、「To Bring Biologists at the Design Table(生物学者をデザインのテーブルに招くべきだ)」と提唱した最初の人です。彼女の影響は、とても大きかったですね。彼女はテキスタイルを始めとする様々な企業と協力して、生物学が製造方法にどのような影響を与えるのかを理解する手助けも行っています。このような彼女の役割は、バイオデザインの活動全体に大きな影響を与えたと感じています。

その後、とある研究プロジェクトで、ノーベル賞受賞者である生物学者とコラボレーションした際に、生物学の原理について多くのことを教わりました。その時、私はピンときたのです。これこそが、私のやり方だと思いました。それは、自然が作るように作ることを学ぶことなのです。つまり、私の原動力となっているのは、「自然はどのように、常温で、有害な副産物なしに、ローカルな材料と太陽エネルギーを使って、テキスタイルを作るのか」という疑問と関心なのです。

90年代初頭、私はデザイナーとしてより持続可能な方法を模索していましたが、必ずしも生物学に焦点を当てていたわけではありませんでした。例えば、アップサイクルやリサイクル、より良い素材の調達方法の検討などです。しかし、ベニュスの本を読んでからは、バイオミミクリーやバイオデザインに注目するようになりました。それが現在のような分野に目を向けるきっかけとなり、2007年ごろから積極的に取り組み始めました。

画像: コレット氏がキュレーションを行った 「Alive, New Design Frontiers, EDF Foundation, Photography Laurent Lecat」(2013)
コレット氏がキュレーションを行った 「Alive, New Design Frontiers, EDF Foundation, Photography Laurent Lecat」(2013)

研究者、インキュベーター、教育者として

「Curiosity-Driven Research(キュリオシティ・ドリブン・リサーチ)」の実践

私の研究拠点である、Living&Systems Lab Research Group(リビング・システムズ・ラボ・リサーチ・グループ)では、Curiosity-Driven Research(キュリオシティ・ドリブン・リサーチ)を行っています。

「生命システムの考え方を取り入れて、新しいテキスタイルを作るにはどうしたらよいのか」など、自然から学ぶことへの好奇心に基づき、研究を行っています。例えば、過去に植物組織工学を用いて、植物をベースにしたバイオファブリケーションをテキスタイルに応用する試みを行ったことがあります。このような「Curiosity-Driven Research」の研究は、未来を切り開くための新しい手法を模索する上で非常に重要だと考えています。このように、Living&Systems Labでの私の研究は、生物学的なシステムや原理を理解し、それをテキスタイルの新しい製造方法に応用していくという、まさに基礎となるテーマに取り組んでいるという特長があります。

画像: 左から:「Bio-lace series」より「Strawberry Noir」、「Basil n 5」(Carole Collet, 2010-2012)
左から:「Bio-lace series」より「Strawberry Noir」、「Basil n 5」(Carole Collet, 2010-2012)

これは非常に恵まれた立場だと思います。というのも、私の活動は商業的な期限や応用に追われることがないからです。私は「自然はどのように機能するのか?」、「自然はどのようにテキスタイルを作るのか?」という純粋な疑問からデザイン制作を行っているのです。

私の最初のバイオ・デザインのプロジェクトである、「Bio-lace(バイオ・レース)」はスペキュラティブ・デザインのプロジェクトでもありました。なぜなら、これは私にとって合成生物学がどのようにしてテキスタイル生産を再構築できるのかを考え、理解するためのものでもあったからです。そこで、未来への仮説を視覚化する手段としてBio-laceを制作しました。現在、私は「Geotropic Textiles(ジオトロピック・テキスタイル)」というプロジェクトで、植物組織工学と植物の根系を使って、生きた根を操作することでテキスタイルを作ることに取り組んでいます。 つまり、以前は生物学の扱い方を知らずに、単純に何ができるかを想像していただけであったのが、今では研究室でバイオ・ファブリケーテッド・テキスタイルの開発に取り組んでいるのです。

画像: 「Mycelium Textiles」(Carole Collet, 2019)
「Mycelium Textiles」(Carole Collet, 2019)

以上のように、Living&Systems Labでは、生物学とデザインの接点を探り、未来に向けて持続可能な新素材や生産手法の研究開発を行っています。自然界に見られる生産方法を研究し、参考にすることで、生物学的な原理(循環、太陽、ローカル)をデザインプロセスに取り入れることができます。バイオデザインは、ダイナミックな生命システムを対象としているため、私たちバイオデザイナーの役割もまた、新しい生物学の重要性を創造し、成長させることへと拡大していると言えるでしょう。

デザインの役割を問うMaison/0(メゾン・ゼロ)

CSMとLVMHのパートナーシップ・プログラムであるMaison/0(メゾン・ゼロ)では、ディレクターとして、新しいデザインカリキュラムの開発に始まり、サステナブル・デザイン、サーキュラー・デザイン、リジェネラティブ・デザインなど、様々な分野のワークショップを開催しています。

さらに、次世代のデザイナーに向けて、サステナブル・デザインにおける取り組みを紹介するシンポジウムや展示会の企画も行っています。以前企画を行った、ロンドンのデザイン・ミュージアムでのシンポジウム「The Other Way: Designing A Sustainable Tomorrow」や、2019年にロンドン・デザイン・フェスティバルで開催された「Designing In Turbulent Times」などがこれに当たります。

また、LVMHのメゾンとのR&Dプロジェクトやコラボレーションプロジェクトも展開しています。例えば、CSMのファッション・デザイン、ジュエリー・デザインの学生と、LVMH傘下ブランドLOUIS VUITTONとのサーキュラーデザインのプロジェクトなどが挙げられます。

画像: 「Designing in Turbulent Times」(2019)
「Designing in Turbulent Times」(2019)

新プログラム「Regenerative Design」

Maison/0での役割のもうひとつは、テキスタイルだけでなく、デザイン全体でサステナビリティを推進するための新しいDisruptive(破壊的な)カリキュラムを開発することです。分野を超えて、建築、バイオ・デザイン、マテリアル・フューチャーズなどと活動を行っています。 その目的は、いかにして現在の実践や手法を再考し、Sustainable Value(持続可能な価値)をデザインプロセスに組み込むための、新たな手段を見つけることです。 これまで私が行ってきたワークショップのほとんどは、「Regenerative Design(リジェネラティブ・デザイン)」に焦点を当てたものでした。サステナブル・デザインというと、「悪いことを減らす」ことに焦点が当てられがちですが、それはもう十分ではなく、超える必要があるという発想です。だからこそ、デザインは、生物多様性を修復し、気候を元の状態に戻し、コミュニティを再生するようなレベルにまで到達する必要があるのです。

2021年4月21日にCSM/LVMHのパートナーシップの次のステップ*として、今後LVMHとともに、「Regenerative Luxury (リジェネラティブ・ラグジュアリー)」のための創造性の育成に焦点を当てていくことを発表しました。そして、私が取り組んでいる最初のプロジェクトが、CSMで2022年10月から始まる「Regenerative Design(リジェネラティブ・デザイン)」の修士課程の創設です。このコースは、2022年10月に開始、今年の秋から募集を開始します。LVMHは当コースに対し、将来の雇用主として、デザイナーがどのように素材や製品、サービスに学びを応用していくのかに興味を持っています。

このコースは、ファッション、プロダクト、テキスタイル、ジュエリーなど、領域横断的に展開され、学生は、生物の多様性を維持・再生するためのデザインや、カーボンネガティブな製品のデザイン方法などを学びます。そして、教員にはデザイナー、エコロジスト、人類学者で構成されるチームを迎える予定です。
さらに大きな特長として、オンライン開講であることが挙げられます。学生は自分が拠点としている地域でアクション・リサーチプロジェクトを展開することになり、東京から、マンハッタンから、ウェールズから、アマゾンからでも受講が可能となります。

画像: 「Designing in Turbulent Times」(2019)
「Designing in Turbulent Times」(2019)

まとめると、私のLiving&Systems Labでの役割は、好奇心に基づき、実際に手を動かして研究を行うことです。あらかじめ決められた仮定はなく、実にオープンマインドに実践を行っています。一方で、Maison/0では、持続可能性に関する講義をしたり、LVMHのチームとのR&Dプロジェクトを行ったり、LVMH傘下ブランドと共同研究プロジェクトに取り組んだりと、より応用的な研究を行っています。つまり、このような私の様々な役割は、一方では基礎的な研究を行い、一方ではより応用的な持続可能性の研究に焦点を当てることを可能とし、短期的にも長期的にも持続可能な未来を象ることを可能としているように思います。

ファッション産業のサステナビリティへの意識

業界の前向きな変化

1990年代初頭、私がCSMで修士研究を行っていた際、とても短いエコロジーのトレンドがありました。1991年か1992年であったか不確かなのですが、無漂白のコットンに焦点を当てたもので、プリントもカラーもないというものでした。1992年にリオ・サミットが開催されたにも関わらず、当時のファッション業界は、地球への影響という大局的な視点に立っていませんでした。それどころか、サステナビリティはシーズンのトレンドとして扱われ、カラーパレットや天然素材を通じた美的なアプローチが重視されていました。 

そして、ファッション業界が「サステナビリティは単なるトレンドではなく、私たちが直面しなければならない問題である」と認識し始めるまでに、10年ほどかかりました。ファッション業界が、自分たちが与えているダメージに目を向けるまでには長い時間を要した、ということです。振り返ってみて言えるのは、業界が変化しつつあるという前向きな変化だと思います。

今では、ほとんどのファッション企業がこれらの問題強く意識しており、循環型経済やサプライチェーンの透明性向上などの戦略を検討しています。そして、業界にとっての最大の課題のひとつは、自社のサプライチェーンを理解することであり、それができて初めて、サプライチェーンで起きていることへ変化を生むことができるように考えています。

これからの行動に求められること

環境問題に対する私たちの意識は以前よりも向上していると思いますが、ファッション業界が真の意味でクリーンになるためには、まだまだ膨大なアクションが必要です。しかし、ポジティブな兆候を目にしているのも事実です。これまでに私が話をした多くの企業は環境目標を設定し、環境戦略を策定しています。このような変化が実現しつつあることは、とても喜ばしいと思います。

他方で、世界の総人口は爆発的に増加に伴う、ファッション消費とファストファッションの爆発的な増加は問題です。 多くの人が着用しない服も購入しているという事実を含め、消費の全体像を把握して対処する必要があると考えています。消費に関する事項は私の研究分野ではありませんが、全体像を考えるために、物をよりよくすることに加え、よりよい消費を考えていく必要もあるでしょう。

特集テーマに向けて

生命の循環を維持する責任

生命の循環を考えることは、私たちに必要なことだと思います。市民として、デザイナーとして、あるいは生産や産業に携わる者として、生命の循環を理解し、尊重し、貢献し、維持する責任を負わなければならないと考えています。

ファッションに特化したものではありませんが、2020年LVMH Climate Weekにて、LVMHとのラグジュアリーストア向けの素材開発プロジェクトの成果物を展示しました。3つのデザイナーチームと協力し、それぞれが革新的なコンセプトと新素材を開発しました。1つ目のチームは、外来種を除去する際に発生する副産物から新素材を作りました。これは、生物多様性に壊滅的な影響を与える外来種をさらに除去するためのインセンティブを創造することで、固有種の保存と保護に貢献できると考えられます。2つ目のチームは、コンポストや土壌内の微生物を利用して木材のエッチングを検討していました。そして、最後のチームは、ポルトガルのバイオサーキュラーな廃棄物、とりわけオリーブオイルを生産する際に出るオリーブの絞りカスから新素材を開発しました。このような彼らの手法は、生命の循環という考え方を完全に適用していると言えるのではないでしょうか。

画像: 「Lusoluxo」  by Riina Oun (MA Material Futures) and Olivia Page (MARCH: Architecture),  a Maison/0 project developed for LVMH Climate Week 2020.
「Lusoluxo」 by Riina Oun (MA Material Futures) and Olivia Page (MARCH: Architecture), a Maison/0 project developed for LVMH Climate Week 2020.

デザインによる「再調整」の必要性

コロナ禍における変化

イギリスは今でもロックダウン中ですが、この状況れに適応しなければなりませんでした。主な変化はオンライン授業に移行したため、学生がワークショップに参加できなくなったことだと思います。しかし大まかに言えば、私たちが地球とどのようにつながっているのかを本当に理解する必要があるという感覚が強調され、それによって自然とどのようにつながっているのかという感覚が新たに生まれたように思います。

状況がどうであれ、私のレクチャーは常に持続可能性をテーマに扱っているので、私の学生たちは皆、このことを理解したい、学びたいと思っています。学生にとってはオンラインで受講するだけでも大変なので、私は学生たちとコロナウイルスのことをあまり話さず、むしろ彼らの気をそらすようにしています。そして、状況を逆手にとり、学生たちが今の状況をポジティブに捉えられるようにしています。

画像: 以前のレクチャーの様子(2019)
以前のレクチャーの様子(2019)

しかし、何人かの学生と交わした会話では、自然界を酷使することでパンデミックを引き起こす可能性があることを、人々に理解してもらう必要があるということでした。海には有毒なプラスチックが散乱していますが、これは私たちが引き起こしたものであり、また、パンデミックも私たちが引き起こしたものとも言えます。

つまり、小さなことがPlanetary Scale(惑星規模)でははるかに大きな影響を与える可能性があることを理解する必要があると思います。私が思うに、パンデミックの状況が学生たちにもたらしたのは、惑星規模という概念を理解を促したことでした。デザイナーは自分のレベルで考え、自分がデザインしているものについて考え、自分が住んでいる都市について考えるかもしれませんが、自分がしていることが地球全体に与える影響という概念全体を受け入れることはほとんどありません。しかし、世界的なパンデミックは、私たちが、ひとつの惑星でつながっていることへの理解を進めたという前向きな結果ももたらしたように思います。

「デザインに何ができるのか」を問う

一般的には、ファッションデザインに限らず、あらゆるデザイン活動をRecalibrate(再調整)する必要があると思います。デザインはもちろん創造性や美しさ、機能的な実用性を称えるものですが、これからはすべてのデザインに倫理的価値やケアの倫理を統合し、デザインを通じて我々がこれまでに破壊してきたものを修復する必要があると思います。

デザインに対する私のビジョンと野心、そして新しいコースを設立する理由は、デザイン活動を通じて気候・生物多様性・コミュニティを修復する方法を検討することです。つまり、人間のためだけでなく、マルチスピーシーズのためにデザインする方法を模索しているのです。これまでのデザインは非常にAnthropocentrice(人間中心的な)活動だったように思います。しかし、私たちはその型を破る必要があります。そして、生命の循環に目を向け、デザインがどのように未来の生命を育むことに繋がるのかを理解する必要があると思います。

ですから私は、デザインに何ができるかについて、根本的に異なる理解が必要だと思います。なぜなら、デザインは変化を起こすための非常に強力なツールであるからです。デザインは、最新のシルエット・コレクションといった垣根を超えて、デザインに重要な美的感覚を損なうこと無く、特に過去50年間に私たちが破壊してきたものを修復するように、大きな役割を持つ必要があると考えています。

Text by Hanako Hirata

追記:LVMH + CSMプログラムの今後の展望

*4月21日、LVMHとCSMのクリエイティブ・プラットフォーム、Maison/0から、次の5年の「Regenerative Luxury(リジェネラティブ・ラグジュアリー)」に向けた新たな5つの取組内容が公開された。
「世界をリードする2つのクリエイティブ・パワーハウスによる、インパクトのあるエージェンシーを構成することは、まさに私たちがエコロジーの危機に立ち向かうために必要なパートナーシップなのです。科学や技術が、監査や目標設定・技術的な修正を提供するのと同様に、クリエイティブ産業は、自然を肯定する未来に向けて、文化的な考え方を根本的に再構築することができます」とコレット氏。

1.Research and development for LIFE(LIFE研究開発):デザインリサーチを通じた、リジェネラティブ・ラグジュアリーのプロトタイピング。LVMH内の環境チーム、そして環境戦略である「LIFE 360」と密接に連携する、デザイン主導の研究開発部門。
2.LVMH scholarships(LVMH奨学金):クリエイティブであり、環境に配慮したアーティスト、デザイナー、メーカー活動の支援。
3.The Disruptive Curriculum(破壊的なカリキュラム):リジェネラティブな未来のための創造的なカリキュラムの開拓。リジェネラティブなモデルを分野横断的に統合するための、新しいカリキュラムの開発、新たなコースの設置。
4.The Challenge Fund(チャレンジ・ファンド):学生や卒業生が中心となった、LVMHとの創造的なコラボレーションの実現。気候変動や生物多様性といった共通の課題に対応するアイデアを生み出す。
5.Maison/0 Awards (Maison/0アワード):気候・生物多様性・社会的緊急事態に対峙する新たな方法を開拓している卒業生を支援する活動の継続。

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#Bio Fashion#Sustainability
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