日々の装いに、さりげない華やぎを添えるアクセサリー。シャープな輝きを持つ金属、奥深い色彩の天然石、温もりを感じさせるウッド素材など、使われる素材は多種多様である。
そんななか、「
カリビアン・アモール」はひときわ異彩を放つアクセサリーを生み出している。なんと、“魚の鱗”を使っているとのこと。意外な組み合わせではあるが、鱗アクセサリーには驚くほどの透明感と、光を浴びて繊細にきらめく美しさがある。
今回は、この独創的なブランドを立ち上げた鱗アクセサリー作家の新明さんに、鱗を使った経緯や制作におけるこだわり、今後の展望を伺った。
PROFILE|プロフィール

新明 尚美(しんみょう なおみ)
1980年 熊本県生まれ
鱗アクセサリー作家、看護師
父の仕事の関係で、幼少期の7年間をパナマ共和国で過ごす。
子どもの頃から絵を描き、図工が好き。
看護師として働いていたが、幼少期から好きだった美術を学ぶため、メキシコのアカデミア・サンカルロス美術大学へ短期入学。その後、フィリピン、オーストラリア、ドイツ、日本(沖縄県、兵庫県)と移住し、現在は埼玉県在住。看護師から転身し、鱗アクセサリー作家として活動している。2020年に鱗アクセサリーブランド「カリビアン・アモール」を立ち上げた。
第2の故郷“パナマ”の文化が鱗アクセサリーのヒントに
新明さんがアクセサリーを作り始めたのは、2020年のこと。結婚を機に埼玉県に移住した後、草加市女性創業スタートアップ事業に参加したのがきっかけだった。「得意のアクセサリー作りで地域活性に貢献したい」との思いから、ハンドメイド作品の販売やワークショップなどをスタートしたが、最初の1年ほどはビーズといった一般的な素材を使っていたという。では、一体どのようなきっかけで、魚の鱗というユニークな素材に辿り着いたのだろうか。
「母がパナマで購入したカリブ海産の鱗を、『これも使ってみれ ば?』と何気なく譲ってくれたのがきっかけでした」