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2023.01.07

サステナブルにフレーバーを、スウェーデン発「DEDICATED. (デディケイテッド)」

スウェーデンで15年以上に渡って地球環境について考え活動してきた「DEDICATED. (デディケイテッド)」に話を聞くとそのルーツが他にはない個性を持ったサステナブルブランドだという事がわかった。今回は日本代理店の株式会社サンマリノ営業部MD 深津潤一さんにブランドのスタートのことから話を聞いた。

サステナブルにストリートブランドの要素をプラス

「90年代にT-SHIRTS STOREというショップとしてスウェーデンでスタートしまして、2006年からTシャツに使用する綿をすべてオーガニックコットンに変えるという取り組みがスタートし、ブランドのコンセプトが徐々に、エシカル、サステナブルな方向へとシフトして行きました。そして2012年にDEDICATED.というブランド名になりました。
欧米、特にヨーロッパのアウトドアブランド等では既にサステナブルな取り組みをしているブランドはあったのですが、DEDICATED.はストリートブランドの側面があり、その側面を持ちつつサステナブルでやってみようという試みだったと思われます」

どこの畑で作られたオーガニックコットンなのかを把握する

次にDEDICATED.の製品づくりにおいてサステナブルな取り組みを話してもらった。すると見えてきたのはスウェーデン式のサステナブルを日本へという動きだった。
 
「スウェーデンは日本よりも消費者の環境問題や人権に対する意識がかなり進んでいるというのが前提としてあり、オーガニックコットンのものを選ぶというだけではなく、きちんとラベルを見たり、その製品がどう作られているのかという事も気にしている方が多いように見受けられます。
品質へのこだわりはもちろんなのですが、重要なのはトレーサビリティ[1]ですね。どこの畑で作られたオーガニックコットンなのかを把握し、たとえば途中で別の農家が作ったオーガニック栽培ではないコットンと混ざらないように、糸を作る段階、染める段階、縫製する段階と5つ程の段階を経てチェックができるような方法をとっています。
日本で生産過程まで調べて購入するという方はまだまだこれから増えていく段階ですが、サステナブルをうたっているヨーロッパのブランドではほとんどの場合行っている事で、ホームぺージや製品ラベルで見ると確認できるようになっています。
 
日本での取り組みは、スウェーデンと同じものをそのまま販売する場合ともう1つ、ライセンス商品があります。日本企画のアイテムはスウェーデン監修の元で、Tシャツのシルエット等を日本のトレンドに寄せたものにして作ったりしています。この日本企画は2021年から構築しはじめたばかりでアイテム数がまだ少ないのですが、少しずつアイテム数を増やして行ければと思っています。
 
スウェーデンの方はフェアトレード認証[2]や、ヴィーガン認証[3]といろいろな事が進んでいるのですが日本はそれを真似ながら追いつけるように、日本で今やれることをやっている最中です」

サステナブルなファッションにはフレーバーが足りない

ここからはDEDICATED.のデザインに関する特徴について聞いてみた。
サステナブルファッションはステレオタイプな無地で、ナチュラルで、というイメージを持っている方が多いと思うのですが、DEDICATED.デザイナーのヨハン グラフナーは『サステナブルなファッションにはフレーバーが足りない』と言っておりまして、この場合のフレーバーというのは楽しみや彩りというようなニュアンスで、従来のサステナブルなオーガニックコットンのTシャツでは、あまり無いようなカラフルなプリントを取り入れたアイテムがDEDICATED.の個性だと思います。
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