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2023.03.07

小さい足のすべての女性が憧れるブランドに「FOREMOS marco」

「小足だからこそ美しく魅せる靴」をコンセプトに、20.5cm〜22.5cmの小さいサイズの靴のみを取り扱うファクトリーブランド『FOREMOS marco (フォアモス マルコ)』。
ターゲットが絞られてしまうにもかかわらず、小足専用の靴ブランドを展開する理由とは。FOREMOS marcoを展開している株式会社アルジェントの三上 琴代さんに話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
三上 琴代(みかみ ことよ)
三上 琴代(みかみ ことよ)

株式会社アルジェント PR
大学にてファッションアイテムの知識を学んだ後、靴販売、卸の会社へ就職、デザイナーとしての経験を積んだ後に2020年6月から株式会社アルジェントへジョイン。
PRとしてメディア対応だけでなく、InstagramのLIVE運営、店頭販売、SEOを使ったライティング業務も行う。

ペインを減らしゲインに転換

まずは、FOREMOS marcoの立ち上げの経緯について教えてください。
FOREMOS marcoを展開する株式会社アルジェントは、靴の名産地として知られる神戸の婦人靴メーカーとして約30年活動してきました。
元々はブランドやセレクトショップからオーダーを受けて商品を生産するというビジネスモデルを長年続けてきたのですが、それだけでは“お客さまが求めている価値”を提供できなくなってきていると感じていました。誰かから聞いた商品や、どこかで見たことのある商品を作ることで、お客様は本当に満足しているのかと疑問に思ったからです。
そんなとき世間を見渡してみると、ものが溢れているはずなのに、小さいサイズの靴が少ないことに気づきました。小さいサイズはもちろん、足幅が狭かったり、細足だったり、足のサイズに関してお悩みを持つ女性が美しく綺麗に履ける洗練された靴がないのではないか。そんな方に寄り添ったものづくりをしたい、という思いからブランドを立ち上げることになりました。
ターゲット層を「20.5cm〜22.5cmの小さいサイズのみ」にした理由は?
元々、百貨店の婦人靴フロアには「小さいサイズの靴コーナー」というものが存在し、一定の需要がありました。そのコーナーが徐々になくなっていったのは、ものづくりにおける効率の都合のためという背景があったため、逆にチャンスだと思い、ECを活用することでその非効率を解決できるのではないかと考えたのです。
FOREMOS marcoのコンセプトには「小足だからこそ美しく見える」という個々人の身体的特徴を肯定的に捉えられていますが、このような発想はどのように生まれたのでしょうか?
ペイン(小さいサイズの靴がなくて困っている / 選択肢がない)を減らし、ゲイン(小さい足だからこそ美しく見える靴がある)に転換することが顧客満足の最大化であり、私たちのミッションであると考えています。
ブランド立ち上げ時、実際に100人以上の方の小さい足を計測したところ、ただ足長が短いだけではなく、骨も非常に華奢で、一般的なワイズでは対応しきれないことがわかりました。一般的な靴をただ小さくするだけでは、足に合うバランスの良い靴が作れず、子供靴の型でも足に合わないということがわかったのです。このことから独自で計測した寸法をもとに新しい型を作れば、「美しく見せられる靴を提供することができる」と判断いたしました。
足の計測調査によりゲインが明確になったことや、ヨーロッパの昔の靴の多くがBワイズという幅が狭い靴でできていたことが後押しとなり、発想が具体化していきました。
小さいサイズのみの靴を展開するブランドとして、デザインをする際に心がけていることはありますか?
一般的な靴の型をただ小さくするだけだと、靴全体のバランスが悪く、不格好になってしまいます。足の小さい方を実際に計測した結果をベースにし、型から作成しています。デザイン面でもスニーカーのアイレットの数やリボンの大きさ、切り替えの位置など細かい調整をしながら、足の小さい方でも美しく見えるバランスにこだわっていますね。
FOREMOS marcoの商品を実際に着用された方からは、どのような反応がありましたか?
今までサイズがなかった、靴選びにずっと苦労されてきたというお客様が多いので、サイズが合ったときの感動の声をもらうことが多いですね。
「踵がパカパカしないでパンプスが履ける」「サイズが合うという感覚を初めて知った」というサイズ感のストレスから解放された方や、「今までスニーカーしか履けず、服もカジュアルなものばかり選んでいたが、FOREMOS marcoでサイズの合うパンプスが見つかり、レディライクなコーディネートをするようになった」「カラーシューズが好きなのに、小さいサイズは定番の黒しか売っていないことが多く、泣く泣く黒を選んでいたが、カラー系のアイテムも揃っていて、靴選びが楽しくなった」と、ファッションを心から楽しめるようになった方からのコメントもいただいています。
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