街にも、オフィスにも、部屋で安らぐ時間にも、それぞれのファッションがある。そして歓声が沸き起こる、一夜限りのライブのためにも。
数時間のステージでスポットライトを浴び、オーディエンスの記憶に刻まれる、アーティストのライブ衣装。その服をつくるデザイナーはどんな創意工夫をこらしているのだろうか?
本記事では、自身のブランドをプロデュースしながらアーティストの衣装制作も行う
Kanako Kakimotoさんにインタビュー。音楽やパフォーマンスという身体表現と密接に結びついたクリエイションについて聞いた。
PROFILE|プロフィール

Kanako Kakimoto
1993年生まれ。京都造形芸術大学を卒業後、エスモードジャポン京都校へ入学。卒業後は自身のブランド「kanako kakimoto」を手がけるほか、MVやライブ、広告などの衣装制作なども行う。
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羊文学のライブを彩ったオーダーメイド衣装
羊文学 TOUR 2024 "soft soul, prickly eyes"。そのステージの上にKanako Kakimotoさんが手がけた服があった。塩塚モエカさん(Vo.Gt.)、河西ゆりかさん(Ba.)のからだにゆるやかに巻きつく、オーダーメイドのトップスだ。
羊文学 TOUR 2024 "soft soul, prickly eyes" 写真:オガワタクヤ「アーティストの衣装制作は、スタイリストさんからオファーをいただいて仕事がはじまります。何度も打ち合わせを重ね、パフォーマンスに合う衣装を作り上げていきます。
羊文学さんのトップスのデザインのポイントは、グレーと黄土色のグラデーションです。ツアーのメインビジュアルがモノクロの粗い写真だったので、その『粒子』を衣装で表現しようと、スタイリストさんとアイデアを出しあってつくりました」