反射材と聞くと、その多くは夜間の事故防止など、安全のために使用されるものという印象がある。健康志向の高まりに伴い、夜間のランニングなどスポーツ時に目にすることも増えた。そのなかでファッションブランドANREALAGEの2022ssショーで用いられたのは、オーロラのように鮮やかに光る反射材「LIGHTFORCE(ライトフォース)」だった。 このような「魅せる」反射材はどのように生まれ、どのような未来を目指しているのか? LIGHTFORCEを手がける株式会社丸仁の代表取締役を務める雨森研悟さんにお話を伺った。
PROFILE|プロフィール

雨森研悟 Kengo Amemori
㈱丸仁代表取締役社長、反射服装研究家。
2001年福井工業大学中退。2002年㈱丸仁入社。
おもにアパレル、美術、エンターテイメント分野での反射材の使い方を研究、普及活動を行っている。反射材を使ってくれるコラボ先を常に募集中。趣味は反射材を使った工作とオンラインゲーム。
カジュアルウエアへの模索
当社は私の父が1984年に創業しまして私が2代目になります。福井は繊維関係の事業が多い街で、先代は近くの繊維関係の会社で会社員をしており、そこから独立する形で事業を始めました。もともとは「ダイレクトプリント」「シルクプリント」と呼ばれるような、服にプリントする手法の版型を作る仕事をしていました。それだけでは続かないということで、プリントの仕事に業務の中心をシフトしました。プリントといっても一般的な生地の上に直接プリントをするものではなく、熱転写プリントという方法になります。熱転写プリントではまず、フィルムの上にシルクプリントでデザインを印刷をする際に、熱で溶ける接着剤を一緒に印刷しておきます。その後、デザインを印刷したフィルムを服の上に置いて、熱転写機という大きなアイロンのような機械で加圧、加熱を行うと服にデザインがプリントされるという仕組みです。この熱転写プリントマークの製造事業が当社のメイン事業となります。
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