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2020.07.29

女子高生による女子高生のためのレンタルサービス、Z世代「Nadie」の挑戦(前編)

現役女子中高生による、女子中高生のための会社──昨今のファッションビジネスにおいてZ世代の動向が注目されているが、そのZ世代が創業したのが株式会社Nadie
Nadieは高校2年生3人が2019年9月に創業し、今年2月に女子中高生向けファッションレンタルサービス「放課後マネキン」をローンチ。原宿でのポップアップ開催を経て、8月からはオンラインでサービスを開始する。
同世代向けのサービスを展開するNadieとはどんな企業なのか。Nadie代表取締役の古城栞さん、取締役の白井花さんのお2人にインタビューを実施、起業とサービス考案の経緯、ポップアップでの反響から女子中高生の現在までを聞いていく。現役女子高生2人のインタビューを通して、Z世代向けビジネスにおけるSNSの重要性があらためてあきらかになった。

着たい服を自由に着られる環境を作りたい

まずは、起業の経緯をお聞かせください。
古城Nadieを立ち上げたきっかけは、2018年に開講された京都大学主催の高校生向け体験学習プロジェクト「ミライを創る講座」です。このプロジェクトの中で、創業メンバー3人で考案したサービスが最優秀賞をいただきました。せっかくならこのサービスを実現したいと考え、京都大学とアイエント株式会社にサポートをお願いして2019年9月に起業しました。
なぜファッションをテーマにしたのですか?
古城「ミライを創る講座」は身近な課題からこれまでにないサービスの立案を目指すプロジェクトで、私たちは「個性」をテーマにしました。私たちが普段着ている制服には、個性を押し殺す没個性の象徴のようなイメージがあると思います。その制服を脱ぎ捨てて、自分の着たい服を自由に着られる環境を作りたいと話し合った結果、ファッションをテーマにすることになりました。
Nadieが展開する「放課後マネキン」とは、どういうサービスなのですか?
古城「放課後マネキン」は女子中高生向けのファッションレンタルサービスです。1点1日300円から貸し出していて、今年2月には原宿に3週間限定のポップアップショップをオープンしました。そこでの経験を踏まえて、8月からはオンラインでサービスを開始します。
どのような経緯でこのサービスを思いついたんですか?
白井中高生には、お小遣いなどの制約でおしゃれを自由に楽しめない状況があると思います。私自身もファッションが制限されてることに不満を感じていたので、もっと安くおしゃれを楽しめるようになればいいのではないか、同じことを思っている中高生も多いのではないかと考え、このサービスを思いつきました。

女子中高生のリアルなファッション事情

なぜレンタルサービスを選んだのですか?
白井中高生は、いま既にある服が着たいけれどお金がないから手が届かないだけであって、別にいまない服が着たい訳じゃないんですよね。いまある服をもっと気軽に着られるようにしたいという思いが強かったので、作るよりもレンタルという方向性で考えました。
ファッションレンタルサービスはすでにいくつかはあると思いますが、そのほとんどが大人向けのものばかりです。取り扱っている商品のテイストも私達が着たいものとは少し異なり、料金も月額数千円近くかかるため学生には払えません。他社のリサーチをした上で、女子中高生限定の低価格のファッションレンタルサービスを始めました。
新型コロナウイルス以後、中高生のファッションとの関わり方や認識の変化などはありましたか?
白井平日は制服を着ているので、中高生が私服を着られるのは休日だけですが、外に出られる回数自体が減ったことによって、私服を着られる機会がさらに限らるようになってしまいました。これからは、外に出られる休日がいままでよりも特別なものになると思うんです。その少ない日のために高い服を買うのも大変なので、レンタルの需要が出てくるんじゃないかなと感じています。
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#Social Commerce
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