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2022.05.06

韓国発メタファッションショールーム「OFOTD」

韓国ソウルを拠点とする、デジタルファッションスタートアップのOscar Futureraが主催するマーケットプレイス兼メタファッション・ショールーム「OFOTD(オブオーティディ)」。このプラットフォームを通じて、実際の衣服及び、K-POPなどに代表される著名アーティストが着用した衣服のデジタル版の販売を行っている。
同社はこのプラットフォームを通じて、アーティストとクリエイターを巻き込んだ、新たなエコシステムを創出する狙いだ。今回「OFOTD」を運営する、Oscar FutureraのCEOのLee Jimi(イ・ジミ)氏と、CSO兼共同創業者のShin Woosup(シン・ウソプ)氏にメールでインタビューを行った。

「成功の方程式」を取り払う

「OFOTD」の母体となるOscar Futureraはどのように始まったのでしょうか。
Jimi以前私はビューティーブランドに勤務していましたが、年を追うごとに業界内の競争が激化し、ブランドが短いサイクルで生まれては消えていくのを見てきました。
そこで私たちは、ブランドベースの業界に限界を感じ、クリエイティビティと多様性を持つ未来の生態系を模索したいと考えるようになりました。このようなアイデアを長年の友人でありコラボレーターであるWoosupと時間をかけて議論し、私たちはOscar Futureraをスタートさせました。
Woosup以前私はMyMusicTaste.com(ファンがアーティストのライブをリクエストし、その需要をもとにして、アーティストやプロモーターがライブを企画できるプラットフォーム)を共同設立し、このプラットフォームを信頼するユーザーからの貴重なデータを目の当たりにしました。
たとえば、BTSがビルボードチャートやその他のグローバルチャートでブレイクする6か月前に、MyMusicTasteはこのグループが成功することを予見していました。その一方で、ファッション業界は「成功の方程式」に縛られ、過去に成功したものをつぎはぎしているように見受けられました。
そこで私は、デジタル技術を駆使して市場に変化をもたらし、イノベーションを起こす新しいタイプの市場を思い描くようになりました。過去のやり方を盲目的に追うのではなく、メタファッションやデジタルファッションをベースに、新しい価値観を持ったエコシステムを作りたいと思い、会社を立ち上げるに至ったのです。
メタファッション領域へ参入しようと考えたきっかけについて教えてください。
Woosup私たちは、ヨーロッパ中心のファッション業界の構造やルールを変えたいと考えていました。オートクチュールのメゾンを中心とした古いトレンドや成功の方程式から離れ、より効率的なものへ移行したかったのです。テクノロジーが進歩し、オンラインが中心のライフスタイルが普及した今だからこそ、未来のファッション業界を構想することができ、メタファッションはその世界を実現するためのツールであると考えています。
メタファッション・プラットフォーム、「OFOTD」について教えてください。
Jimi「OFOTD」は、メタ・ショールームであり、インフルエンス(影響力)と創造力が交差する作品を「#future ootd」として紹介します。ファッションクリエイターによる作品は、私たちのプラットフォームを通じて誰かの影響力と出会い、そして消費者に届くことになります。
つまり、その作品の価値(有形的ななものだけでなく、無形的なもの)が最大化され、物理的にもデジタルでも販売されることが可能になります。そして最終的には、クリエイターの周りにブランドが生まれるようなエコシステムを構築したいと考えています。
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