なぜ、松竹はデジタルファッション領域に参入することにしたのだろうか。同社の宮本英さんと京井勇樹さんに、デジタルファッションプロジェクトを開始した経緯、DRESSXとの製作エピソード、そして今後の展開まで伺った。
デジタルファッション参入の背景
今回のデジタルファッションプロジェクトは、どのような経緯で始まったのでしょうか。
宮本弊社は、歌舞伎や日本舞踊などと密接に関わってきた企業として、「日本文化の伝統を継承・発展させ、世界文化に貢献する」というミッションがあります。
これまでも、たとえば海外で舞台衣裳の展示会を行ったり、著名な 美術館でイベントを行ったりと、実物を見ていただけるリアルの企画を実施してきました。
ただ、舞台衣裳はマスに展開するうえではハードルが高いコンテンツであると感じていました。展示にあたっては、高価な一点物であることに加えて、現地で衣裳スタッフが着付をする必要があります。さらに、実際に足を運んでご覧いただける人数にも限りがあるため、広がりという点で課題がありました。