2022年1月、日本の大手化学 企業の
東レ株式会社(以下:東レ)が、バイオ由来ポリマー素材・製品の総合ブ「エコディア
Ⓡ」の新たなラインナップとして、原料のポリマーをすべて植物由来にしたナイロン繊維「
エコディアⓇN510」の開発・販売を発表。このニュースは世界中のメディアで報道され、ファッション業界を中心に大きな注目を集めた。
地球環境に配慮するサステナブルへの意識が高まっている今、その実現に大きく貢献するであろう新素材として登場した「エコディアⓇN510」は、登場から約1年で実際どれだけの影響や反響があったのだろうか。
今回は東レ株式会社 スポーツ・衣料資材事業部長の大塚 潤さんにインタビューを行い、「エコディアⓇN510」が開発された経緯やこれまでの反響、さらにはこの素材を通じて東レが目指すその先の未来について、詳しく話をうかがった。
日本の「ナイロン繊維の進化」における長い歴史を持つ化学企業・東レ
植物由来のセバシン酸(原料:ヒマ)とペンタメチレンジアミン(原料:トウモロ コシ)を重合・紡糸して作るという、100%植物由来のナイロン繊維「エコディアⓇN510」を開発した東レは、日本におけるナイロン繊維開発のパイオニアとしても知られる化学企業。大企業ゆえ、その名前こそよく耳にするが同社だが、そもそもどのような背景を持つ企業なのだろうか。